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2017年8月28日 (月)

羊頭狗肉ハム

 日本ハムの製品で「ヘルシーキッチン ZERO ロースハム」というものがある.
 商品説明ページはここ.  
 糖質制限ダイエットの流行で,清涼飲料水でもビール風味の飲料でも「糖質ゼロ」が大人気である.
 だがしかしこの「ヘルシーキッチン ZERO ロースハム」とそのファミリー製品群は,本来は豚肉製品であるべきところにもかかわらず,羊頭狗肉なのである.なんだそれは.(笑)

 商品説明には次のようなことが書かれている.

糖質0(※)で、一般のロース(日本食品標準成分表2010)に比べカロリーを25%カットしたロースハムです。しっかりとした肉の食感が楽しめます。糖質やカロリーが気になる方におすすめです。(※食品表示基準による。糖質は直接分析し食品表示基準に基づいて糖質0.5g(100gあたり)未満を0としています。)

 どんな会社でも,ブーム便乗の インチキ 商品を売る時は周到な逃げ道を用意しておくものだ.日本ハムが,件の商品名を「糖質ゼロ ロースハム」ではなく「ZERO ロースハム」としたところに,そのヘッピリ腰がよく露呈している.コーラかよ.
 どのくらいヘッピリ腰かというと,日本ハムは糖質がゼロだとは言っていないのである.

※食品表示基準による。糖質は直接分析し食品表示基準に基づいて糖質0.5g(100gあたり)未満を0としています。

 食品表示基準がそうなっているから,止むを得ず私たちは従っているのです,と言いたいのだろう.
 それでは次に原材料表示を読んでみよう.

豚ロース肉、豚肉、卵たん白、大豆たん白、食塩、乳たん白、豚コラーゲン、香辛料/調味料(有機酸等)、リ
ン酸塩(Na)、カゼインNa、酸化防止剤(ビタミンC)、発色剤(亜硝酸Na)、コチニール色素、甘味料(アセスルファムK、スクラロース、ネオテーム)、香辛料抽出物、(一部に卵・乳成分・大豆・豚肉を含む)

 比較のために,同社製「彩りキッチン ホワイト ロース」も原材料表示を引用する.

豚ロース肉、還元水あめ、卵たん白、大豆たん白、食塩、乳たん白、豚コラーゲン、ポークエキス/調味料(有機酸等)、リン酸塩(Na)、増粘多糖類、カゼインNa、酸化防止剤(ビタミンC)、発色剤(亜硝酸Na)、コチニール色素、香辛料、(一部に卵・乳成分・大豆・豚肉を含む)

 もう明らかである.
「ヘルシーキッチン ZERO ロースハム」は,安いハムの副原料 (注射針で注入する方法で原料豚肉の重さを二倍近くにまで水増しするために使用する) である「還元水飴」を甘味料 (アセスルファムK、スクラロース、ネオテーム) に置き換えたものである.
 こんなお手軽に糖質制限という付加価値をつけることができるのだから,食肉加工は気楽な商売であるなあ.

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