自分でも食べてみろっ
今朝の飯のおかずに豆腐を食べた.
商品の名称は「充填豆腐」で,四角く白いポリスチレン製の小容器の上面に貼られたポリエチレン製フィルムに「榛名山麓水仕込み のどごし 絹 味わいのある大豆でのどごしよく作りあげました」と書いてある.
製造者は,株式会社光商 群馬工場 (群馬県北群馬郡榛東村広馬場3584-3) である.
さて容器の上面に貼られた透明フィルムを,四角い容器との接着面から外に少しはみ出した端っこを指でつまんで剥がそうとしたのだが,いかに老人とはいえまだまだ若いモンに負けてはおられんと日々頑張っている私が,満身の力を込めても剥がれない.
遂に諦めて,ペンチを工具箱から持ち出してきて剥がそうとしたのだが,部分的にベリッと小片化して剥がれてしまった.
残ったフィルムを,何度も何度も悪戦苦闘して剥がし,なんとか中身を食べられるようにはできたが,なぜこんなに強力に容器とフィルムを接着せにゃならんのだ,おのれ株式会社光商群馬工場めそこへ直れ,と私は怒りにブルブルと震えた.
たぶんこの豆腐は,鋭利なカッターでフィルムを容器の縁に沿って切り取らないと,豆腐を取り出せないのだが,高齢社会 (余談だが小池知事は,今や高齢化社会ではなく高齢社会であると持論を述べている) では,年寄りには可及的に刃物を使わせぬようにしなければいけない.障碍者に対する配慮のこともある.ユニバーサルデザインなんて,今や常識だろうが,株式会社光商群馬工場の社長以下は全く考えていないと思われる.
おそらくこの株式会社光商群馬工場の社員は,自分ちの製品を食べていないのである.社員が会社を愛していれば毎日この絹ごし豆腐を食べるから,包装の欠陥に必ず気づくはずなのである.
別の大手の豆腐製造業者の製品は,上面のフィルムの端に「ここから開けてください」旨のマークが印刷されており,その通りにすると実にきれいにフィルムが剥がれる.こうも見事に接着力が調整されていると,感心するし,ポリスチレンの容器とポリエチレンフィルムをきちんと分別してゴミ収集に出そうという気にもなる.
株式会社光商群馬工場の社員は,製品の品質にもゴミの分別にもきっと無関心だろうと想像されるのだ.
以上は豆腐の容器についてだが,樹脂製カップ入りのコーヒー飲料にも,ペンチを使用してもフィルムを剥がせないものがある (一例;製造者 トモヱ乳業株式会社,商品名 Caffè Latte 砂糖不使用 〈*註〉).
加工食品製造業にとって,消費者志向の容器開発は極めて大事な課題である.ならば全社一丸となって愛社精神を奮い起こせと言いたい.
で,件の豆腐だが,凝固剤の使用量過多だ.「のどごしよく作りあげました」は嘘である.そんなもんだろうね.
〈*註〉 トモヱ乳業のウェブサイトのコンテンツ「カップ飲料」に,この商品は掲載されて然るべきであるが,見当たらない.いかにいい加減な会社かよくわかる.この会社にして,この商品あり.
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