調味料容器二題
少し前から「ヤマサ鮮度の一滴 超特選しょうゆ」を卓上で使っている.私見だが,これはかなりの優れものなので紹介したい.
商品説明を引用しよう.
《エアブロック弁により、開封後常温保存でも180日間鮮度キープできます。改良によりさらに注ぎやすく、注ぎ終わりの液切れもよくなりました。
びんより軽くペットボトルよりも樹脂使用量が少ないエコ容器、キャップがないので開け閉めのわずらわしさがなくスマートに使えます。》
商品容器はスタンディング・パウチタイプで,その注ぎ口にある《エアブロック弁》に私は感心したのである.
スタンディング・パウチ容器を,例えば刺身とか,おひたしの上で傾け,少しパウチ容器に力を加えると,密着している二枚のフィルムでできているエアブロック弁が,内部の圧力でわずかに開き,醤油が滴々と流れ出る仕込みである.
この弁は,二枚のフィルムが密着しているだけだが,何かしらの工夫がなされているようで,醤油を注ぎ終わると元の密着状態に戻り,外部と遮断される.
容器外部の空気に晒されることが少ないという触れ込みのペットボトル醤油容器もある (ヤマサの商品では「ヤマサ鮮度生活 特選丸大豆しょうゆ」など) が,これはボトルが元の形に復元するときに外から空気を吸い込んでしまう.
その際にピーヒョロロローと音を立てるのがうるさいのはともかくとして,空気を吸い込んじゃだめじゃん,と思う.
ところがスタンディング・パウチ容器は復元力がないので,空気を吸い込まないのだ.
そのせいだろうが,スタンディング・パウチ容器型が《開封後常温保存でも180日間鮮度キープ》なのに対して,ボトル型は《開封後、常温保存で90日間酸化を防いで、しょうゆの鮮度キープ》となっている.
ボトルタイプでも使い終わるまで醤油が赤い色調を持続したのには感心したが,心なしかスタンディング・パウチ型のほうがさらに鮮烈な味わいのような気がしないでもないと言うにやぶさかではないとヤマサさんにお伝えください.ではまた.
とはいうものの欠点がないわけではない.この容器は幼児には扱いが少し難しいかも知れなくて,テーブルの上にピューッと醤油をまき散らすおそれがあるような気がしないでもないと言うにやぶさかではないとヤマサさんにお伝えください.ではまた.
この「鮮度の一滴」と同じ頃に購入したのが,オタフクの「キュッとさっぱりトンカツソース」だ.
この商品は容器のことを特に訴求していないが,注ぎ口が秀逸である.
私んちの冷蔵庫には,これまでキッコーマンの「キッコーマン デリシャスソース ウスター」は常備で,その他には「キッコーマン デリシャスソース 中濃」または「キッコーマン デリシャスソース とんかつ」を備えていた.
しかしキッコーマンのウスターは,注ぎ口の穴が大きくて,ちょっと傾けすぎると,とんかつの上にドバーっとあふれ出て,せっかく和幸アシビシティビル藤沢売店で買ってきたサクサクのとんかつが,ウスターソースでびしゃびしゃになってしまう.
中濃はまあまあだが,とんかつソースは,だーらーだーらーと,だらしなく出てくるので,「しっかりせんか!」とつい癇癪を起してキッチンの壁に激しく投げ当て,床がとんかつソースまみれになることがある.うそ.
そこにいくとオタフクの「キュッとさっぱりトンカツソース」は注ぎ口の穴が小さくなっており,マヨネーズ容器のようなチューブに力を加えると,必要な分量のトンカツソースが速やかに出てくる仕組みになっている.これは快適だ.もっと早くからこれにすればよかった.
これはもう日本のトンカツソース界に君臨するオタフクだけのことはある.さすがだと感心した.というか,キッコーマンがだめじゃん.
余談ながら,キッコーマンはとんかつと表記し,オタフクはトンカツだと言う.おかげで私の単語表記は引きずられて不統一であります.
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