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2017年5月 4日 (木)

判官贔屓を卒業

 テレビの散歩番組で,犬吠埼は義経伝説の地であると紹介していた.
 岬にある「犬岩」は義経の愛犬が石になったものだという.

 その伝説は知らなかったのでウェブを検索したら,Wikipedia【犬吠埼】に次のように書かれていた.

犬吠埼という地名には諸説があるが、中でもよく知られるものが義経の愛犬「若丸」が岬に置き去りにされ、主人を慕う余り、7日7晩鳴き続けたことから犬吠(犬が吠く)と名付けられたという説である。

 この説明では,なぜ若丸が岬に置き去りにされたのかわからない.
 さらに検索を続けたが,Wikipedia【犬吠埼】をコピペしたような記事ばかりであった.
 中には,若丸が義経を襲ったので置き去りにしたとかいうのもあって,話はうまくできているから騙されそうになった.
 結局,《義経伝説を追う》というブログのコンテンツ

犬岩、千騎ケ岩(千葉県) [京から平泉]2012年1月6日

が信用できる記述かと思われた.
 それによると,義経一行は犬吠埼で平家の亡霊に襲われる.一度は撃退するも,亡霊は若丸に憑りつき,若丸は次第に衰弱していった.
 これを見たある僧が義経に助言したのだが,その箇所を上のブログから一部引用する.

平家の亡霊を鎮めるためやって来た僧は「平家の亡霊が、若丸に乗り移り、仇をしているため、若丸を供として連れて行ってはいけない」という注意した。義経は止む無く「若丸」を残して奥州に発つことにし、「若丸」を浜に残すと、片岡常春が用意した船に乗り込んだ。
「若丸」は自分が置いて行かれたことに気付くと、義経主従の後を追い、船を目指して泳ぎだした。しかし、船に追い付くことができないと分かると波間の岩に泳ぎ着き、その上で義経主従に向かって、悲しげに吠え続けた。その声は7日7晩続き、やがて「若丸」は岩になったという。

 悲しい伝説であるが,今の私たちの健全な感覚からすると,義経は犬の飼い主として言語道断の不適格者である.足手まといになれば静を捨て,若丸を捨てる.そういう人間だからこそ因果応報,衣川の戦いで非業の死を遂げることになったのだと,ようやく腑に落ちた.ただ,義経自身は勝手に自害して死ぬがよいが,こんなテキトー男に衣川館で殺されて死んだ妻子が哀れではある.
 裏切られて死ぬ義経の最後は,女癖がわるかった報いかと思ったこともあるが,それだと兄頼朝も女癖がわるかったのだから辻褄が合わない.それで前から不思議に思っていたのである.どんな兄弟だよ.

 ところで引用したブログ《義経伝説を追う》は参考になるなあ.力作だと感心した.

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