最近の小生絶賛本
ハッピーリタイア悠々自適,残りの人生は読書してすごしましょうと,仕事を辞めたあと思った.
ひとによっては一生涯現役で働くだろうし,趣味のことに打ち込むにせよ何にせよ余生というものは千差万別であろうが,私は本を読むのが大好きなので飽きもせず読書の毎日である.
そこでどんな本を読むかだが,一般向け自然科学書から歴史書まで,もう手あたり次第だ.
しかし手あたり次第とはいえ道案内は必要で,一昔以上前から毎号読んでいる週刊文春の書評欄「文春図書館」は大いに参考にしている.
書評欄以外に,連載コラムの筆者諸氏が紹介してくれる書籍もあり,本川達雄著『ウニはすごい バッタもすごい デザインの生物学』は福岡伸一先生の御推薦だ.
一般向け自然科学書といっても,私の場合は数学や物理学ではなく,生物学とか人類学などがツボのようで,おおそうだったのか!と目から鱗の落ちることが多くて楽しい.
『ウニはすごい バッタもすごい デザインの生物学』は第一章から鱗落ちっぱなしだ.例えば昆虫の飛翔には二種類あるという話.
一つは筋肉 (直接飛翔筋) で翅を動かすという型で,これはトンボ,バッタ,チョウなどの例を思い浮かべるとわかりやすいのだが,もう一つのパターンは,筋肉 (非同期飛翔筋) が胸部をその共振周波数で振動させる型だという.
ハチなどはものすごい速さで翅を動かしているが,それは筋肉自体の伸縮振動とは無関係だというのである.これ,知ってましたか,諸兄は?
いや子供の頃から,あのハチの飛び方は不思議には思っていたのだ.それがこんなに明解に説明されると,ははーっとありがたく平伏してしまいますなあ.
この本,著者がこれまでに書いたベストセラーと同様に,科学好きな老人にお勧めしたい.
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