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2017年5月24日 (水)

オオタカ

 朝日新聞デジタルに掲載された記事《自然環境保護の象徴オオタカ、希少種解除へ 懸念の声も》をmsnが転載して報道したところによれば,以下の通りである.

自然環境保護の象徴的な存在であるオオタカについて、環境省は22日、種の保存法に基づく国内希少野生動物種 (希少種) から外す方針を決め、有識者らの小委員会に示した。国民から意見を聴いた上で、8月以降に解除される見通し。

 環境省に限らず他の行政官庁すべてについて言えることだが,《有識者らの小委員会に示した》段階でその施策の実施は確定しているのである.
 というのは,官庁はその施策に同意する「有識者」を委員にするのである.そして「有識者」お墨付きを得たという形を整えてから《国民から意見を聴》くことにする.
 ここで《国民から意見を聴》くといっても国民投票に付するわけではなく,官庁ウェブサイトにひっそりと掲示して,パブリックコメント (通称「パブコメ」) を募集するだけである.
 募集期間が終ると当該官庁はパブコメを集計し,国民から提出された各意見に対して省庁側の立場からのコメントを付けて公表するのだが,このコメントがもう国民をナメ切った態度なのである.
 例えば,ある施策に賛意を示す意見 (明らかなサクラでも) に対しては丁重な応対をするが,批判的意見に対しては,酷い時には「参考に致します」の一言だけだったりする.
 私も現役会社員時代に,食品関連法案の変更時に何度かパブコメを提出したことがあるが,すべて一言でバッサリと切り捨てられてしまった.
 こういう事が続くと,一般の国民は呆れてパブコメに手を出さなくなる.ところがこの事態こそ官僚の思うツボであって,パブコメを募集すると,提灯持ちからの賛同意見ばかりが集まるようになる.こうしてパブコメ制度は既に形骸化してしまったと言っていい.

 環境省は,オオタカを国内希少野生動物種から外す気まんまんである.
 この方針を覆すのは極めて困難なのであるが,しかし圧倒的に多数のパブコメ提出意見が反対であれば,これを無視するとメディアが取り上げる可能性が高くなる.
 個人の提出意見は,環境省に相手にされないこと確実であるが,しかし集計結果 (賛否の数) は公表せねばならないからである.
 オオタカに関心ある向きは,当該施策のパブコメに参加されては如何だろうか.

 冒頭に紹介した記事を読むと,オオタカの希少種指定が解除されれば,現在の営巣地は指定解除を待ち望んでいる業者によってたちまちのうちに開発され,また再びオオタカは減少に向かうのではないかと危惧される.
 大抵の場合,このような施策の裏には,業者からなにがしかの陳情がなされていると推測される.週刊誌は「官邸の最高レベル」とその夫人が何かしていないか調べたらどうだ.(笑)

 自然保護の大義のために,あの田中角栄にも歯向かった初代環境庁長官,大石武一 の如き政治家は遠い昔の話となった.国の天然記念物であるコウノトリを射殺するハンターがいる国だもの.嗚呼.

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