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2017年5月26日 (金)

たいめいけんチキンライス弁当

 所用で東京に出かけた.
 用事を済ませての帰路,昼過ぎだったので,東京駅の大丸に寄って弁当を買うことにした.大丸地下一階の弁当売場「弁当ストリート」が,この辺りの会社の女性社員や旅行者に人気だとテレビのバラエティ番組で紹介されていたので,一度見てみようと思ったからである.
 件の弁当売場は惣菜店のある一角に隣接 (大丸 B1F フロアガイド) していて,ネット検索すると「全長60mの通路にお弁当屋さんがひしめいている」とか書いているブログがあるが,私には意外に狭いなーという印象である.
 フロアガイドから店舗名を抽出すると以下の通り.

 

叙々苑,ミート矢澤,ブラッカウズ,大雲,洋食や三代目たいめいけん,たまひで からっ鳥,両国鳥幸,つきじ鈴富,ベーカリーPAUL,柿安牛めし,日本橋弁松総本店,なだ万,銀座天一,日本橋伊勢定,とんかつ まい泉,味の梅ばち,牛たん かねざき,タキモト,蝦夷前知床鮨,平島,セレクトスイーツ2,崎陽軒,築地 魚弁 味の浜藤,地雷也,神田明神下 みやび,浅草田甫 草津亭,神田志乃多寿司,築地 青木,銀座萌黄亭,米八,サンドイッチハウス メルヘン

 

 弁当ストリートをぶらぶら歩きながら,ショーケースの弁当サンプルをちら見したのだが,おお!と食欲をそそるようなものがない.この弁当ストリートの弁当は全体的に茶色っぽいなとの印象を受けた.こんなことなら東京駅の中で買えばよかったという後悔の念が湧いたと正直に書いておく.
 それで東京駅に行こうと思ったとたんに「洋食や三代目たいめいけん」のカウンターにいた販売員の娘さんに「この時間帯は,もうここにあるだけで終わりで~す (にこり)」と声をかけられた.
 正直に告白するが,女性から声をかけられるなんて定年後は絶えてなかったことなので,私は大いに感動して「たいめいけんチキンライス弁当」(税込 1,180円) を即決購入した.
 代金を払うと「今日の五時までのお召し上がりとなりま~す (にこり)」とのことであった.

 

 さて帰宅したのは午後二時過ぎだった.
 「たいめいけんチキンライス弁当」の箱を開けると,中に割箸と樹脂製のスプーンと小さなお手拭き (小袋包装) が入っていたのだが,それらはチキンライスや鶏唐揚の上に直接置かれていた.
 駅弁などでは,内容物の上に透明フィルムを置き,その上に箸とかお手拭きを載せるものだと思うが,「たいめいけんチキンライス弁当」では直置きであった.これってこういう仕様なのだろうか.透明フィルムの一枚くらい,大したコストではないと思うが.
 チキンライスの飯粒がいくつも貼りついた小袋入りのお手拭きは取り除いて捨てたが,ちょっと感じが悪い.いや違う.かなり感じが悪い.

 

[食レポ]
 チキンライスの量はかなり少ない.箱は大きいが内容量は少なめで,この弁当がターゲットしている購入客セグメントは「老人」「ダイエット中の女性」と考えられる.
 チキンライスは,まずい.食品添加物「グリシン」の味がする.グリーンピースが六粒載っている.具材は,小指の爪以下の大きさの鶏肉が三粒入っていた.それだけで他に具材は使用されていない.
 エビフライは悲しいくらいに細い.小さな樹脂カップにマヨネーズ状のものが入れられており,原材料表示に「タルタルソース」書いてあるのが,これらしい.しかしこれを食べて「タルタルソースだ」と言う人はいないと思う.食品添加物によると思われる異様な酸味がある.
 鶏唐揚はバサバサである.まずい.
 付け合わせにキャベツの酢漬けのようなものが入っていた.原材料表示に「コールスロー」と書いてあるものがこれらしいが,これを食べて「コールスローだ」と言う人は少数派ではなかろうか.食品添加物によると思われる異様な酸味がある.

 

 あとはもう省略するが,こりゃだめだ,というのが食べた感想である.
 それで,ネットで「たいめいけんチキンライス弁当」を検索してみた.
 すると,大丸のサイトではなく,「ごちクル」という宅配弁当やケータリングの情報サイトに「たいめいけんチキンライス弁当」が掲載されていた.製造者 (実際の製造工場) は不明.流通経路は異なるが,販売者は同じ「株式会社たいめいけん」と考えられる.

 

 で,このサイトに掲載されている「たいめいけんチキンライス弁当」の画像を見て驚いた.リンク切れになる可能性があるから,商品説明ページをブラウザに表示させて画面のコピーを取り,トリミングしたものを,証拠として下に掲載する.(画像を取得した日はこの記事を掲載したのと同じ日である)
20170526b

 この画像によると,チキンライスに缶詰のマッシュルームが入っているようであるが,私が大丸で購入したものにはマッシュルームは一切れも入っていなかったのである.大丸で売られているやつをチキンライスと呼ぶのはかなりの勇気が必要だと思う.チキンレースかよ.←自分で自分に座布団一枚.
 ただし,この「ごちクル」に掲載されている「たいめいけんチキンライス弁当」は税込 1,300円であり,大丸で売られているものは税込 1,180円である.

 

 結論として,「たいめいけんチキンライス弁当」の味のレベルは,コンビニ弁当以下だと思う.久しぶりにこれ程まずい弁当を食べたので,有名デパ地下の弁当なのに,こんなのが大手を振ってまかり通っているのだなあと,珍しいものを口にした私は少し感心した.こんなものを売るなんて,きっと大丸B1F のバイヤーは,この弁当を試食したことがないのだろう.

 

 もしかしたらこの弁当を買ってしまうかも知れない消費者のために,原材料表示を下に示す.

 

[原材料名]
チキンライス(国産米),鶏唐揚げ,えびフライ,えびグラタン(ナチュラルチーズ入り),ナポリタンスパゲッティ,コールスロー,フライドポテト,ミニトマト,タルタルソース,ピクルス,加工澱粉,トレハロース,調味料(アミノ酸等),増粘剤(増粘多糖類,加工澱粉),pH調製剤,乳化剤,セルロース,酸味料,着色料(カラメル,ウコン),乳酸Ca,リン酸塩(Na),香辛料抽出物,酸化防止剤(V.C,亜硫酸塩),イーストフード,V.C,発色剤(亜硝酸Na),保存料(亜硫酸塩)

 

 このブログで何度も書いたが,私は食品添加物を否定しない.使う必要がある時は使用すればよいという考えを持っている.だが「たいめいけんチキンライス弁当」は度を超している.
 一般論として,保存性を向上させることを目的として使われる添加物は食材の味を損ねるものが多い.上の「たいめいけんチキンライス弁当」がこれほどまずいのは,調味料(アミノ酸等)pH調製剤酸味料の使い方が拙劣,あるいは使用量が多すぎるからだと考えていいのである.
 それから,加工澱粉にも要注意.稿を改めて書きたいが,この添加物はロクなもんじゃないのである.食品添加物肯定派の私が言うのだから当ブログの読者は心して頂きたい.

 

「ごちクル」に掲載されている「東京 日本橋 三代目 たいめいけん」のコンテンツ《★こだわり》には次のような記述がある.

 

創業80余年、現在は三代目の茂手木浩司氏が調理場を仕切る「東京 日本橋 三代目 たいめいけん」。
その茂出木氏監修のお弁当(「ごちクル」では委託製造)は、「おいしい」「また食べたくなる」「特別な味はしないのに、後味までしみじみおいしい」と言っていただけます。

 

 そうですか,と言う他はないが,私なら「まずい」「もう食べたくない」「グリシンと酸味料の味がするので,後味までしみじみとまずい」と言いたい.
 ところがこの「たいめいけんチキンライス弁当」は,大丸「弁当ストリート」で売上トップテンに入る人気なのだという.(東京駅大丸の弁当年間ランキング!2016年に一番売れた弁当はコレだ!)
 みんな,この弁当が本当においしいと思ってるわけ?
 コンビニ弁当ならもっと安く同等の味のものが買えるのに,「たいめいけん」ブランドの威力なんだろう.これが悲しいかな一般消費者の味覚レベルなのだ.と,女性店員さんに声をかけられただけで「たいめいけんチキンライス弁当」を即決購入した私が言う.まことに年甲斐のないことで,済まぬ済まぬ.

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