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2017年3月11日 (土)

いじめ防止のために

 昨日放送されたNHK『15歳、故郷への旅 福島の子どもたち』の冒頭で,一人の少女がこう語った.

いじめ あってから なんか全部どうでもよくなって 一種の逃げなんですけど 別に逃げたって誰も怒んないですし いいですよね》 (ブログ筆者註;「いいですよね」は「逃げてもいいですよね」の意)

 先月の二日,政府は,今国会に提出する「福島復興再生特別措置法の改正案」に,東電福島第1原発の事故のために福島県から避難した子供へのいじめ防止を明記する方針を決めた.
 この法案に関連して復興庁が作成した予算関連法案資料「福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案について」に次のようにある.

〈5. その他の改正事項〉
  ……
  2. いじめ防止のための対策支援
    福島県内外へ避難している子どもに対するいじめへの対応が必要。
     → 避難している子どもに対するいじめの未然防止や早期発見、いじめへの対処 (心のケアを含む) のため、教育委員会や学校が行なう取組を支援する旨を法律に位置付け。

 この資料にある法案は,改正前の法第五十八条に下記の下線部を追加することで行われる.

第五十八条 国は、原子力災害による被害により福島の児童、生徒等が教育を受ける機会が妨げられることのないよう、福島の地方公共団体その他の者が行う学校施設の整備、教職員の配置、就学の援助、自然体験活動の促進、いじめの防止のための対策の実施その他の取組を支援するために必要な施策を講ずるものとする。

 この法改正で,福島県から避難してきた児童生徒に対するいじめが減るのだろうか.かなり難しいと私は思う.
 なぜなら,この法改正に基づいて行われる措置は予算措置だからである.残念ながら復興庁にはそれ以外のことはできない.
 言うまでもなく,いじめ防止に取り組むべきは復興庁ではなく文科省であるが,文科省所管の「いじめ防止対策推進法」が,東日本大震災の二年後にできたのにもかかわらず,以来,我々国民の目から見て全く効果を上げていないように見える.
「福島復興再生特別措置法」を改正する前に,「いじめ防止対策推進法」の見直しが必要なのではなかろうか.

 異論があるのを承知で言うが,いじめ撲滅のために決定的に重要なのは,教員の質である.
 自分の子がいじめられた私の実体験からすると,そして我が子がいじめられた親たちに,その通りだと肯定してもらえると信じるが,教員の中に「いじめは,いじめられる子に原因がある」という思想を持つ教員がいて,そのまた中に,教員自らいじめに積極的に加担する者がいるのである.
 ところが「いじめ防止対策推進法」は,いじめを「他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為」と定義している.
 教員のことは全く考えられていないのだ.
 教員による消極的いじめ,そして許しがたい積極的いじめ.これにどう対処するかを「いじめ防止対策推進法」に盛り込まぬ限りは,いじめ防止の実は上がらぬと私は思うのである.

 あとそれから,福島の子がいじめられるとき,いじめの口実に「放射能がうつる」というのがある.
 くわばたりえ の口調を借りれば,

〈テレビ番組で福島から避難してきた子のことばっかりやってると,さらに「福島の子に近づかんとこ」と思う.でもその反面、放射能はうつりませんと言われると,そうなんやと思うけど,でも「福島の子には近づかないひとの方が多いんや」と思うと「あ,じゃあ…」ってなる自分がいたりとか.〉

である.福島からの避難生徒児童に対するいじめは,福島県産品の風評被害と全く同じものなのである.すなわち福島県産品の風評を消極的にでも支持する者は,福島からの避難生徒児童を消極的にいじめるであろう.
 テレビに出演して福島県産品に関する風評を肯定してみせた くわばたりえ は三児の母である.自分の発言をはずかしいと思わぬのであろうか.

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