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2016年12月19日 (月)

今日はまた映画を

 先日書いた記事《差別に鈍感な人々 》で,映画評論家の町山智浩氏の著書『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』(文春文庫) を紹介した.
 この本の「第一章 暴走する宗教」は,米国で福音派キリスト教の過激な布教活動を行っているベッキー・フィッシャー牧師のことから書きはじめられている.
 彼女はキッズ・オン・ファイアという子供教育キャンプを主催しているのだが,キッズ・オン・ファイアの様子を記録したドキュメンタリー映画 (『ジーザス・キャンプ~アメリカを動かすキリスト教原理主義~』) が2006年に公開 (日本での公開は2010年) されていて,この映画を私は観ていないのだが,町山智浩氏によれば次のようなシーンがあるらしい.

「ハリー・ポッターを知ってますか?」
 子どもたちに大人気のキャラの話から神様の話につなげるのかと思ったら「ハリー・ポッターは神の敵です!」と恫喝し始めた。「魔法使いは悪魔の手先です! ハリー・ポッターは死ぬべきです!」。子どもたちがビックリしてベソをかき始めても、フィッシャーは容赦しない。「この世は罪に満ちています! あなたたちも罪人でしょう? 神はすべてお見通しですよ!」。6歳の子どもに罪なんかあるはずがないのだが、彼らはみんな神の許しを求めて泣きじゃくる。

 『ジーザス・キャンプ~アメリカを動かすキリスト教原理主義~』に記録されたベッキー・フィッシャー牧師の子供教育キャンプは,子供たちの全人格を否定してそこに教義を叩き込み,「(キリスト教の) 神の戦士」を養成する訓練だと町山氏は書いている.
 無宗教の私からすると,反知性と反科学を標榜し,六歳の子供でもお構いなしに洗脳しようとする福音派キリスト教はもうほとんどカルトにしかみえないのだが,自らを福音派であるとする米国人は実に米全人口の四分の一以上を占めるという.これが米共和党の強力な支持基盤となっているのだ.
 西洋宗教画を観れば一目瞭然だが,神が作った人間は白人である.
 聖書を絶対化する福音派キリスト教徒にとって私たち有色人種は,せいぜい良くて動物 (実際に有色人種を「クリーチャー」と呼ぶ米国人がいる) で,下手をすると悪魔の類である.米国における白人至上主義とはそういうことであるらしい.

 さて話は映画『ハリー・ポッター』シリーズの後継作『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』だ.
 よく知られているように『ハリー・ポッター』シリーズは,映画も小説も米国で福音派キリスト教徒の強い拒否反応を招いた.だが『スター・ウォーズ』シリーズではそのような話は聞いていない.
 どこが違うのだろう.
 先週の月曜日に辻堂のシネコンへ『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』を観に出かけたのだが,これは次の週から上映される『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』と比較してみたらおもしろいかもと思った.
 比較は全くおもしろくないかも知れないが,ま,とりあえず今日のシートを予約してあるので,劇場へ足を運ぶとしよう.

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