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2016年11月 5日 (土)

続・ゴキブリ缶 (二)

 前稿に引用した Wikipedia【まるか食品】に書かれているように,「まるか食品」はゴキブリ混入事件の発覚当初,頑なに製造工程での混入を否定した.これは明らかに,回収を避けようという意志の表れであった.
 製品回収保険に入っていれば特段どうということはなかったはずだが,同社は保険に入っていなかった.同社程度の企業で五千万円以上の損失は大打撃だったろう.何としてでも製品回収を避けたかったのである.
 食品企業における必要経費としての製品回収保険の保険料をケチるという不見識.こういう経営者の見識のなさが,工場にゴキブリが蔓延する事態を引き起こしたと言っていい.この二つは同根なのである.
 しかしどんな小手先の嘘で回収を逃れようとしても,あの工場の実態を知っている人間が騙されようはずがない.斯くして日に日に同社の企業価値は失われていった.

12月11日、問題の商品を外部機関により分析した結果、虫に過熱の形跡が確認されたため、同社は「製造過程での混入の可能性が否定できない」と改め、本社工場・赤堀工場での生産を停止し、ペヤング全商品を販売休止とした。》 (Wikipedia【まるか食品】から引用)

 この事態に,「まるか食品」の経営者はようやく目を覚ました.そして工場の改善に取り組む決意をした.ここからあとの同社の取り組みは真摯なもので,私たち食品産業で品質保証の仕事に就いている者の目から見て立派なものであった.Wikipedia【まるか食品】から以下に再び引用する.

再発防止策および製造・販売再開
その後の調査でも同社は虫の混入原因や経路の特定には至らなかったが、混入の可能性があると考えられる箇所の絞り込みを行ったのち、本社工場では虫の侵入を防ぐため壁を補修し、床を抗菌仕様に変更した。同社は他にも、麺の運搬レーンに監視カメラと屋根を設置するなどの対策を施した上で、2015年5月に「ペヤングソースやきそば」の生産を再開、6月8日から関東地方での販売を再開した。
ところが、当初予想していた2倍から3倍の注文量があり、24時間体制でも製造が追いつかなくなったため、関東地方以外での発売を急遽延期する事態となった。7月からは製造ラインを増やし安定供給に務めるという。関東地方以外の地域 (販売休止前から販売していなかった北海道を除く) では、甲信越・静岡地区が7月6日、東北・北陸・中京・関西・中四国・九州地区が7月13日にそれぞれ販売を再開した。
なお、同社が製造・販売再開に向けた取り組みとして、容器の改良を含む異物混入などの再発防止策に投資した金額は、10億円以上にのぼったと報じられた。

 話は横に逸れるが「まるか食品」が工場を長期停止して改善と会社再建に取り組み始めた当時,テレビの情報番組ではMCもコメンテーターたちも異口同音に「そこまでしなくてもいいのでは」と言った.改善の取り組みは当然であると言明したニュース芸人は一人もいなかった.そのうちの何人かは今もしたり顔して毎日テレビに出ているが,この連中に食品の安全安心を語る資格はない.

 さて以上に述べてきた「まるか食品」の事件に対して,今回の「はごろもフーズ」のゴキブリ混入事件はどうかを見てみよう.
(続く)

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