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2016年10月20日 (木)

豊洲の地下水は水位下がらず

 先日の《こういう人物も学者というのか 》に次のように書いた.

藤井は,これはもうやり過ぎなほど過剰な汚染地下水対策であり,それが工事費の高騰を招いたのであると,宮崎を相手に饒舌に論じた.つまり藤井は,これだけ巨費が投じられて対策が講じられているから豊洲市場は安全だというのである.
 いやいや,地下水モニタリングシステムの存在は,この問題が発覚したときに既に都の技術部門関係者がテレビで説明したことだ.私のようなレベルの一般人でも知っている.
 問題は実はそんなことではなくて,その巨費を投じた地下水モニタリングシステムがまともに作動していないことなのだ.

 この日 (10/13) のニッポン放送「ザ・ボイス そこまで言うか!」に出演した内閣官房参与の藤井聡は,豊洲新市場には地下水の水位を低く保つ仕組み (私は上に「地下水モニタリングシステム」と書いたが正確には「地下水管理システム」のようだ) があるともっともらしく語ったのであるが,今朝のNHK他のテレビ各局の報道によれば,このシステムの能力に大きな疑問符が付いた.
 NHK NEWS WEB から引用する.

豊洲市場 システム稼働後も地下の水位は下がらず 10月20日 4時08分
 豊洲市場をめぐる問題で、盛り土が行われていない建物の地下にたまっている水について、東京都は「地下水の上昇を抑えるシステムが本格稼働すれば解消される」と説明していましたが、今週からシステムが本格稼働したにもかかわらず、水位が下がらず、水がたまったままとなっていることがわかりました。

都の中央卸売市場では「市場の地下水の上昇を抑える『地下水管理システム』が本格稼働すれば、地下水を盛り土の層の下までに抑え、たまった水も解消される」と説明し、今週17日からシステムを本格稼働させました。
ところが、都が地下水の水位を測定したところ、水位が下がらず、盛り土の層まで達していて、地下の空洞には依然として水がたまったままになっていることがわかりました。

 この「地下水管理システム」はこれまで試運転をしてきたのであるが,この記事の冒頭に書いたように本格稼働直前の先週,システムが本格稼働しても地下水の水位は下がらないと既に私は予想していた.なんとなれば,本格稼働して地下水水位が下がるのであれば,試運転でも下がるはずであるからだ.試運転で下がらないものが本運転で突然下がるわけがない.(笑)

 地下水管理システムがまともに動かない原因はただ一つ.
 地下水の水位が上昇状態にあるときの,地下水の増加量を,システムの揚水能力が下回っているのである.それ以外の原因は論理的にあり得ない.
 もう一ヶ所引用する.

水位が下がらないことについて、都は「この夏の雨が多く、もともとの水位が高かったためだ。引き続きシステムを稼働して水位を下げていきたい」と説明しています。

 この都の説明はもうほんとにバカじゃないかというレベルである.
 つまり「雨の少ない年はシステムは有効だが,雨の多い年はだめだ」といっているのである.そんな中途半端なシステムでどうする.

 私が思うに,豊洲市場地下水管理システムの関係者は,このシステムがだめなことを試運転で既に確認していたに違いない.テレビの報道を観たに過ぎない私ですら,これがちゃんと稼働しないことを予想できたくらいだからである.

 それにしても,テレビも新聞も,この地下水管理システムが機能しないだろうことを,どこも事前に報道しなかったのはなぜだ.
 内閣官房参与の藤井聡は政府関係者だから,ラジオで嘘でもなんでも言う (本業は京都大学教授のはずだが,曲学阿世とはこのことか〈笑〉) だろうが,番組で藤井と対談した評論家宮崎哲弥の知的レベルが情けない.テレビCMになんか出ている暇があったらもっと頭を鍛えろと言いたい.

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コメント

全く同感。今日のゴゴスマのコメンテータも似たようなもの。”地下水はその内下がるでしょう”ととぼけた発言。このシステムの生命線は工事途中と言えども、如何なる時もa.p 2m以下を厳守して、大金を使って入れ替えた盛り土を汚染させないことのはず。何処のテレビも避けてるようだ。高等教育受けて、年を取って、物理のいろはもわからない人々の集団にはやりきれないですね。そんなはずはない! きっと知らないふりしてる。地下水位変化のトレンドを観てない音喜多都議も分かっていないようですが。

投稿: 勝田幸伸 | 2016年10月20日 (木) 20時55分

 コメントありがとうございます.
 地下水管理システムの揚水能力を決定するにあたっては,地下水水位の変動を長期間にわたって観測し,そのデータから算出された必要揚水能力の,そのまた二倍とか三倍にして決定したと推測されますが,結果的にみてそれでもまだ大幅に揚水能力が足りないのですから,地下水水位の変動データが極端に間違っていたということかと思います.
 つまり昨日の都の釈明によれば,雨の少ない年のデータを基礎にして揚水能力を決定したことになります.
 これが企業が行う投資案件であれば,担当者は左遷あるいは依願退職ということになりますが,公務員ですからそうはならないでしょう.
 小池知事はこの豊洲問題で「粛清」という表現を用いましたが,たぶんそれは無理でしょうね.
 昨日はまた豊洲市場の建屋について耐震性に疑問があるという報道がなされました.闇は深いようです.

投稿: 江分利万作 | 2016年10月21日 (金) 07時27分

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