花と妖精
いつもは見ないのだが,今朝,テレビをオンにしたままにしておいたらTBSテレビ「サンデーモーニング」で,東京オリンピックの名花と呼ばれたベラ・チャスラフスカさんの訃報について触れられた.
コメンテーターの女性が「メキシコオリンピックで彼女は,プラハ侵攻に抗議して黒いレオタードを着たのです」と語ったが,確か濃紺のレオタードだと記憶していたので,Wikipedia【ベラ・チャスラフスカ】を調べたら次のようにあった.
《1968年のメキシコオリンピックはプラハ侵攻の直後であり、チャスラフスカはオリンピック直前にようやく出国を許可された。チャスラフスカはこのとき、祖国であるチェコスロバキアの屈辱をはね返すために最高の演技を誓い競技に臨んだと後に語っている。五輪本番は、抗議の意を示すため濃紺のレオタードで競技を行った。》
また,「チャスラフスカのあと,コマネチあたりから体操がアクロバットみたいになったんですよね」と出演者一同が話した.
しかし最近,コマネチさんは,最近の体操はアクロバット的だとインタビューに答えていた.彼女が活躍を始めた頃,当時の彼女の体操演技が女性らしい美しさに欠けると評されたことに,彼女は不満があるようであった.今の体操のほうが,私の現役の頃よりずっとアクロバティックだという趣旨の発言である.
ただ,この報道がどこのメディアによるものだったのか,ここに書くにあたって検索しているのだが見つからない.うーむどこに書いてあったのだったか.コマネチさんの発言のソース不明なので,それに基づいて「サンデーモーニング」の内容をこれ以上論評することはしない.
チャスラフスカさんをオリンピックの花と讃えることに異論あるひとは少ないだろう.体操演技だけでなく,彼女のその後の人生自体が美しかった.
ただその対比のために,「サンデーモーニング」のコメンテーターたちのように,コマネチさんの体操演技を「美しくない」とする人たちを私は嫌いだ.彼女の体操は充分に愛らしかった.だから世界中が彼女を,花に対する妖精に譬えた.まことに人は,ものごとを忘れやすいものである.
| 固定リンク
「新・雑事雑感」カテゴリの記事
- 宗教が政治を支配する国家 /工事中(2024.10.10)
- 小学生5年生より賢くないライター(2024.10.07)
- 地獄への道(2024.10.04)
- 復讐するは神の仕事にあらず ユダヤの民がこれを行うとイスラエルは言う(2024.10.05)
- 私の誤字センサー (39)(2024.10.06)
コメント