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2016年9月16日 (金)

俳句大喜利

 録画しておいた先日 (7/5放送) のテレビ東京「開運なんでも鑑定団」を観ていたら,種田山頭火の色紙が鑑定に出品された.
 鑑定依頼者の父親が山頭火と親しく,ある日山頭火が訪ねてきて逗留したのだそうだ.
 その家で温かくもてなされた山頭火は,色紙七枚に自作を書いて置いていったとのこと.
 鑑定結果は,色紙はすべて本物であった.(実は山頭火の日記にその逗留のことが書かれている)
 私は山頭火の自筆色紙を観るのは初めてなので,録画して大変興味深くその七枚の色紙を観た.
 で,話はその番組のことではない.鑑定に出された色紙にもあった山頭火の句のこと.
 俳句という詩は,ある一瞬を一句に写し取ることもできるが,数多くの句を句集に編むことで人間を,人生を表現することもできるものだと私は思う.
 例えば下は山頭火の代表句の一つ.

 柳散るそこから乞いはじめる

 そういう観点から,上の山頭火の句を,山頭火の他の句もあわせて多く鑑賞するとしみじみと胸を打つ.
 もちろん人間を表現する俳句は自由律だけではない.
 子規辞世三句は余りにも有名だ.

 糸瓜咲て痰のつまりし仏かな
 痰一斗糸瓜の水も間に合わず
 をとヽひのへちまの水も取らざりき

 いずれにせよ,これらの句は,山頭火や子規という人間そのものである.

 さてMBS系列テレビ番組「プレバト」の人気コーナー「俳句の才能査定ランキング」は,夏井いつき先生が出した「お題」について芸能人たちが詠んだ句を,夏井先生が採点添削する.
 このコーナーは人気があるようで,ほとんど毎週放送されている.芸能人たちと司会者 (コミッショナー) の浜田雅功とのやり取りはおもしろく,私も時々観ている.昨日の放送も観た.
 ただし,出された「お題」で出演者たちがひねり出した句だが,番組を観ているとほとんどが要するに想像の産物だ.実人生の一瞬を切り取ったものでもなく,作者の人間を語るものでもない.
 つまりこの俳句コーナーは,実は俳句を装った「笑点」なのである.大喜利なのである.
 夏井先生の添削も,どうしたら「うまい俳句」になるかという観点であれこれ直しているだけで,そこには,山頭火や子規のような「詩」を作るにはどうしたらよいかというアドバイスは全くない.
 夏井先生は,こんなお笑い番組に出ていていいんだろうかと,他人事ながら心配になるのである.

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