一切は
昨夜放送のMBSテレビ「プレバト」は,過去の俳句才能ランキングを切り貼り再構成したものだった.
これまでに出場した芸能人の俳句を,現在「初段名人」である 梅沢富美男と藤本敏史が評価採点するという趣向で,特にどうという内容ではなかったのだが,最後に今年の「松山俳句甲子園」で個人賞 (優秀賞) に輝いた沖縄県興南高校二年生の鶴岡夏鈴さんの句が紹介された.その句がこれ.
一切は足音と風 天の川
高校生らしからぬ格調である.思わずテレビの前で,寝転がっていたのを正座に座り直してしまった.
そして,しばらくして,これはどこかで既視感があるぞという気がしてきた.
散文中の表現で「一切は○○であった (である)」 (ブログ筆者註;○○は静寂を表現する名詞句.「足音と風」に類する言葉) は,有名無名の散文中に時折目にする表現のように思われる.
今回の俳句甲子園で,このとき懸題は「天の川」だったから,何となく上の作品は,大人の文章から借りてきた言葉に季語を付けてできただけ句だとの思いがしてきた.そりゃそうだよね.まだ人生の入口にいる高校二年生が「一切は」なんて言うはずないもの.
というわけで,また寝転がってしまったのである.おい.
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