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2016年7月17日 (日)

性愛作家渡辺淳一

 一昨日の記事に《下司作家が日経に連載した『失楽園』も仕事のように読んだ》と書いた.もちろん《下司作家》とは渡辺淳一のことだ.

 文章を書く,物語を紡ぐ,そういった分野の才能に恵まれた人というのはすごいもので,新人賞をとったばかりの人の新刊でも,最初のほんの少しを読んだだけで「お,これは“買い”だ」と思わせることが多い.宮部みゆきさんなんかがそうだった.

 その逆に,週刊誌連載小説やエッセイ,コラムの第一回を読んだだけで「だめだこりゃ」と思わされることがある.
 何がだめかというと,人品の卑しさが文章の行間からにおってくるようなやつだ.
 お前の頭の中には,そんなことしか詰まってないのか,と言いたくなるようなやつで,渡辺淳一とか林真理子がこれだ.

 一昨日の記事をアップしてからベッドに寝ころび,読みかけの佐野洋子『がんばりません』(新潮文庫) を開いたら,まるでシンクロニシティのように,次のようにあった.

この間『ひとひらの雪』って小説読んで腹よじって笑ってしまった。主人公の男が女を初めて車で夜送る時「つまらない車ですが」と云うのである。彼は国産車を恥じたのである。なんだあの男は。
 あれだけであの小説はユーモア小説である。

 言うまでもなく《なんだあの男は》は,小説の主人公と同時に作家渡辺淳一のことを腹よじって笑ったのである.
 直木賞受賞作家にして,直木賞,吉川英治文学賞,中央公論文芸賞等々の選考委員に名を連ねた渡辺淳一を「あの男」呼ばわりした人は他にいるだろうか.さすがは佐野洋子と感服するしかない.だめなものはだめと,世評に迎合せぬ根性の座っている点で,村上春樹の作品を駄作と批評して憚らない中村うさぎと双璧である.

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