ソウルフード (八)
前回の記事に
《上に初夏と書いたのは,六月頃に笹の葉が新しくなるからである.これを採ってきて笹団子と粽を拵えるのが,越後の農家の慣わしなのであった.》
と書いた.
その粽 (ちまき) は,Wikipedia【ちまき】に
《もち米やうるち米、米粉などで作った餅、もしくはもち米を、三角形(または円錐形)に作り、ササ(中国語: 粽葉; ピン音: zòngye)などの葉で包み、イグサなどで縛った食品。葉ごと蒸したり茹でて加熱し、葉を剥いて食べる。もともと中国で作られた料理で、日本へは平安時代頃に伝わった。》
と書かれているように,遠い昔から親しまれてきた庶民的な食べ物である.
ただし,そこら辺の和菓子屋で売られている粽,代表的なものは京都の道喜粽と呼ばれるものであるが,これは本来の粽とは異なる和菓子であり,私がここでいう伝統食の粽とは異なるものである.
粽は,歴史的には,保存性を高めるために拵える際に灰汁を用いた (Wikipedia収載の画像) ものだが,風味に独特のものがあるため,現在では灰汁を使わないほうが一般的であると思われる.私が子供の頃,新潟に住む親戚から送られてきた粽 (ちまき) も灰汁は使わないで作ったものだった.(Wikipedia収載の画像;キャプションに新潟の粽とは書かれていないが,画像を見た限りでは新潟の粽である)
現在の日本で古式の粽が伝統料理として残っている地方がいくつあるか私は知らないので断定はしないが,たぶん日本の粽はすべて,中国料理店で供される中国粽 (中身は「中華おこわ」だ.料理好きな人は自分で作るだろう〈典型的レシピ〉) とは異なり,笹で巻いた中身の餅は味付けをしない.
ではどうやって食べるかというと,砂糖を少し混ぜて仄かに甘くした黄な粉をふりかけて食べる.黄な粉は粽にどっさりとかけた方が香ばしくおいしく,それがために砂糖は極力控えめにするのがよろしい.
現在の私たちの食生活では,正月に食べる黄な粉餅を別とすれば,黄な粉を口にすることはあまり多くない.それだけに,黄な粉には懐かしい昔ながらの鄙びた御馳走感がある.ことさらに白玉団子を自分で作るには及ばない.和菓子屋で買ってきた変哲もない草餅でも黄な粉をかけて食うと一味違うことで,私たちはそのことを思い出す.
黄な粉には,それだけで元は大豆だとは思えぬ滋味がある.それを郷愁とよんでもいい.しかるに,どこの和菓子だと言わぬが,黄な粉には決して馴染まぬ黒蜜という余分なものを付け加えて,ままごとの如き風呂敷を模したビニールで包んだ桔梗信 (以下略).
(続く)
| 固定リンク
「食品の話題」カテゴリの記事
- 食品のブランドは製法とは無縁のものか /工事中(2022.06.30)
- 崎陽軒の方針(2022.05.06)
- 青唐がらし味噌(2022.03.27)
- 成城石井のピスタチオスプレッドは(2022.02.17)
- インチキ蕎麦 /工事中(2022.02.06)

コメント