幽霊退治屋 第三作
週刊文春の看板コラム (先週号) ,小林信彦『本音を申せば』にこうあった.
《ぼくは昔の「ゴーストバスターズ」が好きで、今度は〈お化け退治屋〉が女四人ときいたが、それはそれで面白いと思った。》
「ゴーストバスターズ」は実は私も好きな映画である.傑作だと思う.
ただ,残念なのは,ひとに「好きな映画はどんなのですか?」と訊かれてこれを挙げにくいことだ.(笑)
この作品は,どんなラスボスが登場するのかと観客が固唾を呑んで待っていると登場する破壊の神ゴーザの,ちゃちなキャラ感がとても素晴らしい.こんなやつかよオイオイという.
そして破壊神ゴーザが召喚したのがかの有名なマシュマロマンで, これは当時の日本人にはなじみがなかったアメリカのキャラだが,ミシュランのビバンダムそっくりなキャラメイクで,報復絶倒だった.
この第一作の成功に続いて作られた第二作があったが,残念ながら興行的にはコケたためにシリーズ化は立ち消えになった.
そして時が流れて第三作制作の話が持ち上がったら,残念なことにイゴン・スペングラー博士を演じたハロルド・ライミスが亡くなってしまった.
そこで構想されたのが同名のリブート作品「ゴーストバスターズ」で,冒頭の小林信彦のコメントは,この映画のことである.
しかしこの第三作の撮影が始まった頃,シナリオ自体が,信用できる映画評論家の町山智浩にあまりよく評価されなかったという記憶がある.
それで,上映されたら観に行こうかどうしようかなーと思っていたのだが,小林信彦は試写を観て次のような感想を書いている.
《ひとことで言えば「ゴーストバスターズ」は特撮に金をかけた、ばからしい映画ともいえるが、ぼくは以前の二本が好きだし、レイ・パーカー・ジュニアの音楽にも浮かれてしまうので、これにケイト・マッキノンという美女が出て二挺拳銃をぶっ放したりすれば、もう満足してしまう。》
こう高く評価して頂ければ迷うことはない.八月の公開が待ちどおしい.
ついでに,今日は「シン・ゴジラ」を観に行く.どんな作品に仕上がっているか,これも楽しみだ.
前に書いた記事《幼児退行してきました》に私は次のように書いた.
《さて『新・のび太の日本誕生』が上映されるシアター6に入ると,観客は私だけだった.
午後になると,半日授業を終えた小学校低学年の子供が来るかも知れないが,さすがに朝一番ではそんなことはないのだ.
と思ったら,三歳児くらいの小さな子を連れたママさんが入って来た.そして私が購入したシートから一つ間をあけて座った.
ガランとしたシアター6の観客は私を入れて三人しかいないのに,私,空席,三歳児の女の子,ママさん,という横並び状態なのである.
そのママさんは,こんなにたくさんあるシートの中で,どうしてその席を買ったのか!
もしかして私に好意を持っているのか!
違うような気がするが!》
で,今回はその時のような居心地の悪さを避けるために,エグゼクティブシートを予約してある.さあ,いくぞー.
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