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2016年6月21日 (火)

また麦飯

 麦飯について,もう少し書く.

 Wikipedia【麦飯】に次の記述がある.

エピソード
日本の刑務所では、近代の懲役刑の導入とともに麦飯が導入されており、米:麦=7:3の比率のものが主食とされている。

 この書きぶりでは,懲役刑が導入されて以来,懲役囚の主食は麦三割の麦飯であったかのような印象を与える.そこで以下,懲役囚の食事における麦飯の米麦比について書く.

 今もそうだと思われるが,私の父親など大抵の刑務官たちは,かつて公益財団法人矯正協会 (法改正前は「財団法人」だった) が発行している月刊誌「刑政」を購読していた.この雑誌には刑務行政に係る論文やその他の記事が掲載されており,刑務官の機関紙的な役割を果たしていたからである.

 私が高校生になっていた頃だから昭和四十年過ぎと思われるが,ある日何気なく家にあった「刑政」を読んでみたところ,懲役囚の食事に関する総説が掲載されていた.
 その総説に書かれていた内容のあらかたは忘却したが,懲役囚の主食について,一般社会の状況に合わせて改善していく必要があるとしていたことを,なぜだか記憶している.

 私が小学生低学年の頃は,我が家の麦飯は米:麦=6:4 であった.麦すなわち押し麦の存在感はすごいもので,これだけ麦が多いと,もう麦だけを炊いて食べているようなものである.
 しかし,高度経済成長期が始まるとどんどん麦の比率が減っていき,中学生になった頃には遂に白い御飯を食べることができるようになったのである.
 従って昭和三十年頃の懲役囚が食べていた麦飯は,米:麦=6:4 か,あるいはそれよりも麦が多いものであったはずである.塀の外の貧乏人よりも,懲役囚のほうがいい飯を食わせてもらえるわけがないからだ.

 で,昭和三十年代後半には国民一般は白飯を主食とするようになったのであるが,懲役囚の麦飯が米:麦=7:3 で頭打ちに固定されてそのまま現在に至るのは,コストも理由の一つだが,やはり麦飯が健康上優れた主食であるということが大きいと思われる.といっても,主菜や副菜が充実していれば,とくに主食が麦飯でなければいけない理由はないのではあるが.(笑)

 ま,そんな記憶が頭にあったので,刑務所の麦飯を Wikipedia【麦飯】は《米:麦=7:3の比率のものが主食とされている》と記述しているが,これは間違いで,昔からそうだったのではないと書いておく.

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