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2016年5月30日 (月)

神様三個

 今の若い人は普通に使うが,私のような爺さんは使わない言葉の一つに,年齢差の言い方がある.
 それは例えば「あの人は私より年が三個下です」だ.若い人は年齢差について,一歳を一個,二歳を二個と数えるのである.
 この言い方がいつ頃から使われるようになったかよくわからないが,このあいだテレビで,三十代後半と思われるママさんタレントが使っていた.ということは,つい最近のはやり言葉というわけではなさそうだ.

 私のような今の高齢者は年齢差をどう数えるかというと,一歳,二歳……,かあるいは一つ,二つ……,である.
 これから想像するに「あの人は私より年が三個下です」は「あの人は私より年が三つ下です」から派生した誤用だろう.しかし若い人たちは「三つと三個って,同じじゃん」と思っているのではないか.そこから「あの人はわたしより年が三個下です」までは一直線だ.

 この調子では,私があの世に行くまでに書籍も「個」,一升瓶も「個」で数えることになるのではないか.遺体も「個」,神様も「個」だ.
 もう既に箪笥を「棹」で,刀を「振」「口 (「く」または「ふり」と読む)」で数えるなんてことは雑学知識となり果てているくらいだから,きっとそうなる.もうすぐそうなる.
 てなことを書いていて気がついたが,アメリカ辺りでは何でもかんでもワン,ツー……で済ませることができる.日常では加算名詞も不加算名詞もへったくれもない.私だって海外旅行すれば「コーヒー,ワン,プリーズ」と言うなあ.
 もしかすると日本の若い人が「個」を使うのは「グローバル化」かも知れない.だとすると,きっと「年が三個下」はおしゃれなんだろう.
 それならまぁ仕方ないかと私は諦めるが,神社の宮司さんたちは,三柱の祭神を若いやつに神様三個とか言われたら怒ってください.お願いします.

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