沖縄の旅 ヒラヤーチーと沖縄そば
東京にはもちろん沖縄料理店があって,私が会社員だった頃は,たまに酒を飲みに行ったものだ.
沖縄料理は,よく知られているように本土各地の郷土料理とは食文化的に全く趣の異なるもので,東京の沖縄料理居酒屋で飲むとか,数日の観光旅行で味わい尽くせるものではないと思う.
最近の若い人は一時期,沖縄に心酔することがあるらしく,こういう諸君は年に何度も沖縄に足を運び (私の娘もよく沖縄に行っているようだ),どうかすると沖縄に住み着いたりする.そうすれば沖縄料理というか沖縄の家庭料理が日常食になるわけであるが,私みたいな者はたまに東京の沖縄料理に舌鼓を打つしかないのが残念だ.
ところで私が好きな沖縄料理は,ヒラヤーチーだ.
外観はここに掲載されている画像のように様々である.実際,私の今回の沖縄旅行で何度も食べてみたが,味も見た目も店によって色々であった.
私がなぜヒラヤーチーを好きかというと,これは戦後暫くのあいだ日本各地の家庭で代用食 (米飯の) として食べられていたものだからである.それが本土ではいつしか家庭料理としては全く忘れられて,今では沖縄に残っているわけだが,おいしいというより郷愁をそそる食べ物である.
沖縄料理の代表選手が何かは難しいが,沖縄そばが代表候補であるのは間違いないところだろう.
本土のラーメンは豚骨コッテリ系が全国制覇して既に久しく,昔風の中華蕎麦よりさらにあっさりした沖縄そば (画像) は,本土の若い人たちには人気薄だと思われる.
だがしかし沖縄旅行に行ったなら,一回は食べなければ沖縄の食文化に対して礼を失するというものだ.
そういうわけで沖縄そばを食いに出かけたのは,登録有形文化財である八重瀬町大頓の屋宜家だ.この店の沖縄そばが旨いかどうかということより,沖縄の民家の雰囲気を楽しみに行ったのである.
さて席に着いて品書きを開いてみたものの,前夜の大酒の祟りで,とてものことに「じゅーしー」(炊き込みご飯) とのセットは胃の腑に入りませぬ.
そこで私たち一行は「本ソーキそば」の単品と,これに島豆腐や「すくがらす島豆腐」などの一品料理を一緒に注文して食べた.
ちなみに,「すくがらす島豆腐」はどうみても酒肴ですな.昼飯のおかずとしては個性強すぎである.
あいにくこの日は沖縄の梅雨入り直後で,時折激しく雨が降る悪天候のため,屋宜家の軒先にはブルーシートが掛けられていて,趣き的にちょっと残念であった.
| 固定リンク
「外食放浪記」カテゴリの記事
- ロウカット玄米の混ぜご飯(2022.12.08)
- 焼きおにぎらず(2022.11.12)
- 鶏とクスクスのグラタン(2022.06.22)
- ちりめんと紫蘇の実漬のご飯(2022.06.13)
- 生キクラゲを食う初体験(2022.06.13)
「冥途の旅の一里塚」カテゴリの記事
- ちょっと心配 (続)(2020.01.29)
- ちょっと心配(2020.01.26)
- 東京都美術館のケーキ(2019.12.05)
- まさかのお一人様ディズニー (三)(2019.06.09)
- まさかのお一人様ディズニー (二)(2019.06.07)
コメント