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2016年5月29日 (日)

腰抜けどん兵衛

 漫然とテレビを眺めていると,タレントが全国あちこちに旅をしてその土地の旨いものを食うという趣旨の番組がよく放送されていて,おいしそうなので,つい見てしまう.
 しかしそういう場合にも自分の食い物の好みはあって,最高級の銘柄牛で,どうみても重さの半分は脂身だなあと思われる霜降り肉のすき焼きが画面にどーんと映し出され,食べタレが「あま~い!」とか「まいう~」とか言っても何ら感動しないのであるが,これがうどんや蕎麦であると身を乗り出して見ることなる.

 で,そういう番組を見て思うのだが,今は讃岐うどんのようにコシの強いうどんの全盛期のようだ.
 食べタレの「うどん」食レポは「コシがある=旨いうどん」が定番だ.「おー,このうどんはコシが全然ないから,すごくおいしい!」とは決して言わない.
 でも私が思うに,あまり人気のないコシの弱いうどん (今や隆盛のB級グルメブームを焚き付けた人物である野瀬泰申氏は弱腰うどんと呼んでいる) でも,おいしいうどんはおいしい.「茹で置きしてノビてしまったうどん」と「ふんわりとした弱腰うどん」は別物なのである.

 このように我が国のうどん界 (海外にうどん界があるかどうか知らないが) は,コシの強いうどんを好む多数派と,弱腰うどんを好きな少数派がいるという構図なのだが,どんな世界にもダークサイドはあるもので,弱腰うどんと似て非なる腰抜けうどん (ノビたうどん) が好きな人々がいる.
 そして,これまで世を忍ぶ日陰の存在であった腰抜けうどん愛好者が,つい最近,腰抜けのどこが悪い!と大きな声をあげて日向に踊り出たのである.
 いわゆる「10分どん兵衛」だ.

 「どん兵衛」や「赤いきつね」などのフライ麺は,多孔質であるために湯もどしするとふにゃふにゃになるのであるが,お湯を入れて5分後の状態は,麺の中心部に湯もどしが不完全な固いところが残っており,こうすることで疑似的なコシを演出している.
 ところが「10分どん兵衛」は,お湯を入れて10分後の,疑似コシがなくなって腰抜けになったところから食べる食べ方なのである.
 「10分どん兵衛」の考案者はマキタスポーツであるが,「10分どん兵衛」がネットで評判となるや,日清食品も「10分どん兵衛」を公式に認めた.

 そこで私も遅ればせながら「10分どん兵衛」と「10分赤いきつね」を作って食べてみた.
 どうであったか.
 あー私は普通のどん兵衛がおいしいと思います.やはり腰抜けうどんはダークサイドですな,ということで.

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