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2016年3月24日 (木)

旅先で食べるもの

(この記事は予約投稿で,現在は福島県を旅行中)

 Wikipedia【カツ丼】 には

日本国内において現在最も一般的なカツ丼のスタイルは、「豚カツを卵とじにしたもの」である。単に「カツ丼」と呼んだ場合は、一部地域 (特に福井県・山梨県・群馬県・岡山県) を除いてこの形態を指す。

と書かれているが,ほんとなんだろうか.

 というのは,会津へ観光しに出かける前に福島県の食べ物を調べていたら「○○食堂のソースカツ丼がおすすめ!」みたいな記事が散見されたので,むむ福島県もソースカツ丼地帯なのかと思ったのである.
 日経の編集委員だった野瀬泰申氏が長年にわたりネットに掲載していた記事によると,ソースカツ丼=カツ丼である地方は全国各地に存在する.Wikipedia【カツ丼】の記述《一部地域 (特に福井県・山梨県・群馬県・岡山県)》どころではなく,むしろソースカツ丼のほうが一般的なんじゃないかと思われるくらいだ.

 二十年くらい前のことかと思うが,東京にもソースカツ丼を食わせる店がぼつぼつ現れた頃のこと.会社の後輩に「ソースカツ丼で有名になった店があるので行きましょう」と誘われて,東京駅日本橋口から歩いていけるその店でソースカツ丼を食べた.
 この店のソースカツ丼は,丼の底に飯を入れ,その上にソースまみれのトンカツを置き,そのまた上に飯を敷き詰め,そのさらにまた上にソースまみれトンカツを置くというスタイルで,結果的にトンカツだけでなく飯までもがソースまみれになり,ソースカツ丼ではなくソース丼になっていた.しかもそのソースの味が非常に濃い.喉が渇く.仕方なくコップの水を飲まざるを得ない.しかし世の中で水を飲みながら飯を食うのはカエルだけだと思っている私はしみじみと情けなく思い,半分食べてギブアップした.

 以来,私はソースカツ丼によい印象を持っていない.私の郷里は群馬だが,「群馬では昔からカツ丼といえばソースカツ丼」とか言われると腹が立つ.大体において群馬の人間は勝馬に乗るのが好きなお調子者が多く,ソースカツ丼デフォ@群馬説は,ソースカツ丼が世の中に知られるようになったら「実は群馬 (桐生あるいは前橋) が発祥の地です」と言い出しただけの嘘である.群馬のソースカツ丼なんてのは,そこら辺の大衆食堂が拵えた,トンカツ定食の手抜きバージョンだ.そういえば昭和四十年代に札幌発祥の味噌ラーメンが全国的に有名になったときにも群馬中のラーメン屋が味噌ラーメンを始めて「味噌ラーメンはうちが本家」などと言っていたなあ.
 そういうわけで,「○○食堂のソースカツ丼がおすすめ!」と言われても,飯が濃厚ソースまみれのソース丼が出てくるおそれがあるので,敬遠したい.東日本の初めての土地で何か食うなら,やっぱ蕎麦でしょ.蕎麦.会津の蕎麦って,イメージ的になんかこうかなり期待できるような気がするのだ.というか,會津の蕎麦と書くともっとうまそうだな.そういうわけで,會津に行ったら蕎麦を食わねばなりませぬ.ならぬことはならぬものです.

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