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2016年3月 2日 (水)

低俗テレビ番組

 昨日は,会社員時代の友人たちが月に一度集まる昼食会だった (実は昼宴会).
 私を含めてみんな口の悪い連中なので,大笑いしながら誰彼問わず当たるを幸いに貶しあうのだが,まず槍玉にあがったのが私の郷里の群馬県だった.

 日本テレビ「秘密のケンミンSHOW」は,私は観ない.話題に取り上げられた県の県民が全く知らないことでも「○○県は△△だ」と囃し立てる低劣番組だと思っているからだ.この番組の嘘八百で自分の故郷を笑いものにされて不愉快な思いをした人はさぞ多かろう.
 で,先日の放送で「群馬県民は日本で一番,肉を食わない」と放送されたのだそうだ.
 西日本の多くの地方において食肉消費量が多いのに比べ,北海道を除く東日本では一部の地方を除いて食肉消費量が少ないのはよく知られた事実で,その境界は他の食文化と同様に,関ヶ原近辺に存在する.(食文化の東西境界に関するこの種のデータは,日経新聞特別編集委員野瀬泰申氏が日経サイトで十三年間にわたり連載した「食べ物 新日本奇行」や「食べB」でかなり知られるところとなった)
 食肉消費量に関する東西の違いは,このデータを見れば一目瞭然である.青森県,埼玉県,神奈川県,静岡県が平均をやや上回っているが,あとの東北,関東甲信越,北陸東海諸県はおしなべて肉をあまり食べない地方なのである.
 とりわけ群馬,福島,茨城,長野,栃木各県は食肉消費量が少ない.こと日本人の肉食については明治時代に大きな変化が生じたわけであるが,それ以後この各県においてなぜそのような食文化的特徴ができたかというと,言うまでもなく広域流通網未発達の時代に畜肉生産量が少ない地方だったからである.畜肉生産量が少ないのは,これまた言うまでもなく畜産飼料の生産量に関係していた.
 現在では食肉は広域流通しており,ある地方の食肉消費量と畜産飼料生産量は無関係になっているはず (しかも飼料は工業製品である配合飼料が主になっている) だが,食習慣というものは非常に保守的であるため,群馬,福島,茨城,長野,栃木各県では今でも食肉消費量が少ないと考えられる.
 私自身,そういう土地で育ったので,今でも肉はあまり好きでない.旨いうどんと肉汁したたるステーキのどちらか選べといわれたら,うどんを食うかもしれない.(苦笑)

 さて「群馬県民は日本で一番,肉を食わない」のは事実として,「群馬県では酢豚の肉の代わりに高野豆腐を入れる」と放送されると「嘘八百並べてるんじゃねえぞ」と凄みたくなる.それは酢豚ではなく,どこかの家庭の工夫料理にすぎない.少しは調査してから放送しろと言いたい.

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