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2016年3月 4日 (金)

都市伝説

 先月のことだが,読売の発言小町に,童謡『うれしいひなまつり』の歌詞を貶めるトピが立てられた.
 トピ主が言うには,「お嫁にいらした姉様」は嫁に来た義姉のことであり,この義姉を女雛ではなく官女に例えたのは嫁の立場が低いことを意味しており,しかも官女の「白い顔」は厚化粧を意味しているというのである.
 歪曲ここに極まれり.あまりの無知蒙昧に呆れたが,このトピに付いたレスに私はさらに驚き,脱力して椅子から転げ落ちた.
『うれしいひなまつり』の作詞者サトウハチローが少年のとき,嫁ぐ直前に結核で亡くなった実姉がいたのだが,『うれしいひなまつり』はその姉に捧げたレクイエムであり,「白い顔」は結核患者の顔色を意味していると言うのだ.一例をレスから直接引用すると《だから「白い顔」は厚化粧だからではなく、結核病末期の白い顔をあらわしているのだとか》とある.

 愕然としつつ「うれしいひなまつり」×「本当は怖い」でウェブ検索すると,最近その説が流布していることがわかった.Wikipedia【うれしいひなまつり】にも

嫁ぎ先が決まった矢先に18歳で結核で亡くなったサトウハチローの姉のことを歌っているものであり、この曲が短調なのはハチローの姉へのレクイエムだからであるとの解釈もある。

と書かれていて,出典は読売新聞文化部編『唱歌・童謡ものがたり』(岩波現代文庫,2013/10/17) である.
 話の出どころはまたも読売.世も末としか.

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