花の散りたるこそ
昨日の記事に,飯館村からの報道番組中継のときに雪が降っていたと書いた.中継画面のアナウンサーもしっかりと防寒スタイルであった.
しかも昨日は関東地方は一日中雨が降り続いて寒かった.
ところが昨日夕方の天気予報では「週末には暖かくなり,桜が開花するでしょう」と言うではないか.
驚いてばっかりだが,慌ててネットで桜前線を検索したら,なんと東京の桜開花は三月十八日だと書かれているし,さらに《一方で、1月末以降も気温が高い日が多く、この先も15日火曜日ごろから再びかなりの高温傾向となる見込みです》だとさ.テレビとネットで言うことが違うが,早ければこの週末に関東南部は春になっちゃうらしい.
以上は《桜開花予想2016 》(3/14 更新) からの引用だが,他の予想サイトも大同小異だ.
さて私は四月下旬催行の三春滝桜観光ツアーを申し込み済みだが,これは催行予定日から想像するに,旅行会社の判断ミスと思われ,現地に行ってみたらもう散っていたとなるかも.
もっと頻繁に桜前線の状況を確認していれば,このツアーの申込みをしなかったかも知れない.どうやら見込み違いになったようで,残念ではあるけれどキャンセルはしないで参加しようと思う.なぜなら,古の法師が次のように書き留めているからである.
花は盛りに 月は隈なきをのみ見るものかは
雨に対ひて月を恋ひ 垂れこめて春の行衛知らぬも
なほあはれに情深し
咲きぬべきほどの梢 散り萎れたる庭などこそ 見所多けれ
歌の詞書にも 花見にまかれりけるに 早く散り過ぎにければ
とも
障る事ありてまからで なども書けるは
花を見て と言へるに劣れる事かは
花の散り 月の傾くを慕ふ習ひはさる事なれど
殊にかたくななる人ぞ
この枝 かの枝散りにけり 今は見所なし などは言ふめる
なるほどなあ.散ってしまった桜の枝こそ,私のようにもうすぐお迎えが来る爺が眺め愛でるにふさわしいものなのであろう.本居宣長は「花は盛りを見るのがいいに決まってる」として兼好を罵倒しているけどね.
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