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2016年3月 6日 (日)

公認会計士の倫理観

 かなり前からのようだが,いわゆる識者たちによる田中角栄再評価の動きがあり,田中没後二十年 (平成二十五年) にはこれが盛り上がりを見せた.現在も,先々月に出版された石原慎太郎『天才』(幻冬舎,2016/1/22) がアマゾンでベストセラー一位になっている.
 森永卓郎は角栄を手放しで褒め称えているし,私自身で確認したわけではないので真偽不明だが,立花隆までが角栄を再評価しているという噂もある.識者ではないが,昨日もニッポン放送の「徳光和夫 とくモリ!歌謡サタデー」で司会の徳光が角栄を絶賛していた.角栄礼賛と読売巨人軍礼賛は同じ土俵の話ではない.公共の電波なのだから少しは遠慮したらどうだ.
 さて「田中角栄」×「再評価」でウェブ検索したら,村山公認会計士事務所の村山秀幸という人物が,『田中角栄100の言葉』(別冊宝島編集部編,2015/1/24) から長い引用をして角栄を高く評価している.村山秀幸氏の文章から一部を以下に引用する.

田中角栄が軽井沢でゴルフをする際はいつも、40人近い長野県警の警察官が元総理でロッキード事件の被告の「警護」に当たるのが常だった。ゴルフが終わるとパーティがある。角栄は秘書の早坂茂三を呼び、人数分の白封筒を渡すと「若い警官たちを楽にさせてやれ」と配慮を忘れなかった。翌朝、警官たちは東京へ戻る角栄を敬礼で見送ったという。そのなかには涙ぐんでいるものも少なからずいたという。

 これはつまり,職務として角栄の警護にあたった長野県警の警察官たちが,秘書の早坂茂三を通じて角栄から不正な金を受け取り,涙ぐみながら角栄に敬礼して感謝したというとんでもない話だ.
 村山秀幸氏は田中角栄が好きだという理由にこの話を挙げているのだが,公認会計士という職業は,法治国家における倫理観に欠けていても勤まるもののようだ.あるいは,もしかすると倫理観があったら勤まらない仕事なのかも知れない.いずれであるかは知らぬが,このような文章を世間に晒して恥じない村山秀幸氏の堂々たる態度は大したものである.

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