生食用牡蠣
日曜夜(3/6) のテレビ番組「林先生が驚く初耳学」を観ていたら「広島で養殖されたカキの生食用と加熱調理用の違いは?」という問題がゲストに出題され,正解は「(養殖場の) 陸からの距離」であるとされた.
正解の追加説明として,沿岸部にある養殖場で採れたものは加熱調理用であり,陸から 7km 沖合の養殖場で採れたものは生食用であるとナレーションがなされ,次に地元養殖業者が画面に登場して「県が決めた清浄海域で採れたものは生食用」と説明した.
ここに二つの「正解」が示されたわけで,娯楽番組とはいえちょっといい加減である.下記の二つの「正解」のどっちなんだと疑問に思った視聴者が多いのではないだろうか.
(1) (養殖場の) 陸からの距離で決まる.つまり沿岸部にある養殖場のカキは加熱調理用,陸から 7km 沖合の養殖場のカキは生食用である.
(2) 広島県が定めた清浄海域で採れたものは生食用である.(このブログ筆者註;清浄海域の指定は,食品衛生法の規定により海水の検査結果に基づいて行われ,陸からの距離とは無関係である)
本当の正解は広島県庁のサイトのここに書かれている.
生食用のカキと加熱調理用カキの違いは,上記の (1) ではない.上記の (2) が正解に近いが,しかし完全な正解ではない.
というのは,指定海域 (清浄海域) で養殖されたものは生食用であるが,その他に条件付指定海域という海域があり,ここで養殖されたカキも人工浄化 (概ね二十時間,清浄海水槽で換水する〈末尾註参照〉) を行うことで生食用カキとして出荷できると定められているのである.
「林先生が驚く初耳学」は雑学を集めた娯楽番組ではあるが,情報番組的な面もあると思われるから,誤情報を拡散せぬよう正しいクイズ解答を示して欲しいものだ.
[註]
食品衛生法に定められた生食用かきの規格基準 (抜粋)
〈成分規格 〉
(1) 細菌数は,検体1gにつき50,000以下でなければならない.
(2) E.coli (大腸菌) 最確数は,検体100gにつき230以下でなければならない.
(3) むき身にした生食用かきの腸炎ビブリオ最確数は,検体1gにつき100以下でなければならない.(H13年から)
〈加工基準 〉
原料用かきは,海水100ml当たり大腸菌群最確数が70以下の海域で採取されたものであるか,またはそれ以外の海域で採取されたものであって100ml当たり大腸菌群最確数が70以下の海水または塩分濃度3%の人工塩水を用い,かつ当該海水もしくは人工塩水を随時換え,または殺菌しながら浄化したものでなければならない.
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