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2015年12月 3日 (木)

片岡義男『歌謡曲が聴こえる』(三)

 片岡義男『歌謡曲が聴こえる』の帯には《あの歌が僕の記憶を甦らせる。極私的ヒット曲の戦後史》とある.
 この本の中で片岡が力を入れて書いているのは,戦後すぐに活躍したナンシー梅木と美空ひばりである.
 ナンシー梅木 (本名は梅木美代志,海外での芸名は Miyoshi Umeki) は1929年生まれだから,同じように進駐軍キャンプから芸能活動を開始したとはいえ,江利チエミよりずっと年上である.
 私の記憶のなかに歌手としてまた女優としての江利チエミの活躍は今も鮮明だが,ナンシー梅木のことは記憶がない.片岡義男もナンシー梅木の芸能活動を直接目の当たりにしたのではないようだが,それでも彼女のことを語れるのは,やはり彼女と世代が近いことがあるのだろう.
 片岡が,ナンシー梅木が歌う英語を大層ほめているので,ネットにアップされている彼女の出演する映画『サヨナラ』を視聴してみた.『サヨナラ』については Wikipedia【ミヨシ・ウメキ】に次のように書かれている.
1957年、マーロン・ブランド主演の映画『サヨナラ』で高美以子と共にスクリーンデビュー。この映画の演技でアカデミー助演女優賞を受賞した。これは東洋人の俳優としては初のアカデミー賞受賞であり、また助演女優賞を米国・英国以外の俳優が受賞したのも初めてであった。

 しかし残念ながらネットの動画は音質が極めて悪く,ナンシー梅木の歌唱がどのようなものであったか,全くわからない.残念だなーと思ったらCD『ナンシー梅木 アーリー・デイズ1950~1954』が今も購入できることがわかった.収録曲をアマゾンで試聴してみたが,やはり録音の悪さは否めず,買って聴くほどのものではないというのが正直な感想である.ナンシー梅木は,私よりずっと年上の人々の記憶に残る歌手としておいた方がよさそうだ.

余談.
 片岡義男は『歌謡曲が聴こえる』の中で,戦後のヒット商品について触れている.その中に「ホンダA型」がある.これは本田技研が開発販売した自転車用補助エンジンである.
 片岡はこの製品について全く記憶がないと書いているが,私は見たことがある.資料を探したらみつかった.それがこれ.実に堂々たる日本製品であった.

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