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2015年11月21日 (土)

設定の意味がわからない

 映画『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』(原題“Fehér Isten/White god”;2014年製作) が今日から上映開始だそうだ.製作国はハンガリー,ドイツ,スウェーデン.

 

本作は雑種犬の飼い主に重税を課す法律が施行されたある街を舞台に、野性に目覚めた犬たちの反乱を描く物語 》なんだそうだが,なぜ雑種犬の飼い主に重税を課すのか,理由が私の頭では想像もできない.
 犬が野生に目覚めようが人間に反乱しようが,それは構わない.しかしそういうストーリィを評価する以前の問題として,《雑種犬の飼い主に重税を課す》という意味不明な設定を解説してくれている映画レビューサイトはないかと思ったのだが,すごい映画だとか書いている人ばかりである.
 これが,為政者が雑種犬を嫌いなので雑種犬は殺処分する法律を作ったとかなら物語の設定としてわかる.
 例えば,犬ではなくて人間の話だが,《ユダヤ人の戦術は民族の特性を雑種化して、最も価値ある階級の人種的価値を低下させること》(Wikipedia【ナチズム】) であるとしてユダヤ人は殺されたのであるから,雑種犬が殺処分されるというならリアリティがあると思うのだが,しかし,なにゆえに《雑種犬の飼い主に重税を課す》のか.なにゆえに税金なのか.「雑種犬の飼育を禁止する」ではなく,課税するのはなぜだ.
「税金を払える人は雑種犬を飼ってもいいが,税金を払えない人は雑種犬を飼ってはいけない」という制度は,雑種犬が贅沢税の対象になるということだが,血統書付きの犬よりも雑種の方が贅沢だという論理は非現実的だ.現実には雑種犬よりも血統書付きの犬のほうが高く売買されているからである.
 レビューを書いている人は「犬版の猿の惑星」だとか誉めているが,そんなレビューじゃ劇場に足を運ぶ意欲が起きないよ.何度も言うが,雑種犬の飼い主に重税ってのがわからんなあ.
 
(明日の記事《設定の意味がわからない (補遺) 》に続く)

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