貧相なカレー (10/2に追記をした)
Yomiuri Online のコンテンツ『大手小町』に《加工食品高級仕様…500円台で「プチ贅沢」》と題した記事が掲載されている.(掲載日 9/22)
記事によると,レトルトカレーでは今年二月に大塚食品が発売した「The ボンカレー」が税込み五百四十円で,従来品のレトルトカレーの三倍以上する.
ハウス食品も先々月,同価格帯で「カレーマルシェスペシャリテ イベリコ豚とマッシュルームのカレー」を発売した.こちらは高級レストランの味を謳っている.
どっちもまだ食べていないなあ.買ってこなければ.
先月の初め,静岡市に住む知人からレトルトカレーを一つ頂戴した.
浜松市の鈴代商店が販売者のご当地商品で,静岡県産黒毛和牛を使用した「絶品のカレー」である.製造者は不明.
後述の理由ですぐにリンク切れになると思うが,楽天の商品ページはここ.(← [追記]10/2 に確認したところ削除済みであった)
画像を見て頂くとわかるように,紙製パッケージの全面にごちゃごちゃと書かれていて,いかにも垢抜けない.商品名にしてからが「絶品のカレー」なのか「絶品のカレー も~うまい!!」なのかが不明だ.元食品会社社員だった私は,このパッケージを見ただけで「だめかもなー」と思った.
実はレトルトカレーは,レシピを指定すれば小規模な数量で製造してくれる業者がある.場合によってはレシピも,その製造業者が提案してくれる基本的なレシピに多少のアレンジをするだけでよい.「絶品のカレー」もそういうお手軽商品なのではないかと思われたのだ.
しかしせっかくの到来物だ.鍋に湯を沸かして三分間温め,買い置きしてあるマルちゃんの包装米飯「玄米ごはん」と一緒に食べてみた.
試食の感想.辛くも美味しくもなく,出来の悪いハヤシライスみたいな味である.調べてみたら,この商品の価格は,大塚食品やハウス食品高級イメージ新商品と同じ価格帯のものであった.しかしながら訴求ポイントである静岡県産黒毛和牛は小さいサイコロほどのものが二つ入っているだけで,まことに貧相な内容である.一度食べたら二度とと買う気にはなれない.そういう商品であった.
で,今日,ふと販売者の鈴代商店をネット検索してみたら,八月二十一日に静岡地裁浜松支部において破産手続きの開始決定がなされていて,同社のサイトは閲覧不能になっていた.破産の理由は販売不振のためであるらしい.負債額は約二億円という.
いかに不出来な商品とはいえ,委託製造のレトルトカレーだけで二億の負債ができるとは思われないから,色んなことに手を出した結果の破産なのだろう.
というわけで,楽天には商品サイトが残っているが,いずれ閉鎖されるのであろう.
ところで,このできの悪い貧相なレトルトカレー「絶品のカレー」だが,ほめている人 (たとえばこのブログ) がいて驚いた.ステマのようでもないし,一体どういうことなんだろう.
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