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2015年10月 8日 (木)

新内閣と拉致被害者問題

 ニッポン放送「ザ・ボイスそこまで言うか!」にレギュラー出演している青山繁晴というデマゴーグがいる.
 Wikipedia の記述を読むとリベラルな人物像が想像されるのだが,実際は大違い (誰が執筆したんだか〈笑〉) で,「ザ・ボイスそこまで言うか!」でしゃべっていることを聴くと,とんでもない陰謀史観屋であることがわかる.政府関係の役職につくことが多く「私は政府関係の情報ルートを持っている」として,出所不明の「情報」をラジオなどでしゃべりまくっている.
 時の権力にすり寄るのを得意として,かつては激しく安倍晋三批判をしていたはずだが,掌返しをして現在は安倍総理万々歳という見苦しい有様である.掌返しをした理由についてはネット上に書かれているので,興味ある向きは検索されたい.

 それはともかく,青山繁晴が以前「ザ・ボイスそこまで言うか!」の放送中,「北朝鮮拉致被害者の救出は小泉総理と北朝鮮との密約でだめになりかかったのだが,その密約を覆して拉致問題に取り組んだのが安倍さんだ.北朝鮮にいる日本人の救出は,お祖父さんの岸元総理大臣の悲願を受けついだ安倍さんの悲願でもあるのだ」と語った.

 何も知らない若い人たちは「そうなのか」と信じてしまうだろうが,1950年代から1984年にかけて行なわれた在日朝鮮人とその家族の北朝鮮への集団的な永住帰国事業 (参照;Wikipedia【在日朝鮮人の帰還事業】) を政府公認事業としたのは,岸信介内閣であった (1959年).
 この在日朝鮮人帰還事業の結果,多くの日本人女性が夫に伴われて北朝鮮に渡った.その人々は北朝鮮で過酷な労働を強いられ,拷問や差別をされ、囚人や奴隷と変わらない生活に陥ったとされている.
 青山繁晴が「北朝鮮にいる日本人の救出は,お祖父さんの岸元総理大臣の悲願を受けついだ安倍さんの悲願でもあるのだ」とラジオで語ったのは,岸信介が在北朝鮮の日本人を救出したいと願っていたのだとの意味でしゃべったのだが,事実は全く逆で,北朝鮮に日本人女性を送り込んだ張本人が安倍の祖父岸信介なのであった.

 昨日七日の内閣改造で,新しい拉致問題担当相に初入閣の加藤勝信氏が就任した.加藤氏は野党に言わせれば意味不明あるいはパクリの「一億総活躍社会」実現のための担当相を兼務する.この改造人事について,《拉致被害者家族会代表の飯塚繁雄さんは,担当相が次々代わる上に兼任となったことに「本当にやる気があるのか政府に問いたい」と苦言を呈した》と,時事通信が伝えた.

 青山繁晴がどう言おうと,本当のやる気は,安倍にはない.拉致被害者問題は在北朝鮮日本人問題に繋がり,岸信介の大失敗 (北朝鮮にまんまと騙されたのではあるが,しかし責任は岸信介にある) をほじくり返してしまうから,安倍には触れたくない政治課題なのである.

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