非正規雇用で活躍しろってか
東洋経済オンラインに《「中年フリーター」のあまりにも残酷な現実 就職氷河期世代が今、割を食わされている》と題した記事が掲載されている.
非正規雇用者の現状について,短い記事ではあるが,日本経済の暗部を指摘して正鵠を射ている.
この記事に《厚生労働省「就業形態の多様化に関する総合実態調査」によると、非正規を活用する理由について「賃金の節約のため」と回答した企業が4割超と最多。企業が非正規を活用してコスト削減した分が、将来的に行政の負担として跳ね返ってくるようにも映る》とある.
東洋経済オンラインの記事に指摘されるまでもない.いつの間にか,としか言いようがないが,国民の多くが実感しているように,日本経済は沈没衰退して久しい.しかるに多くの企業は,賃金のみならず人件費の削減によって破綻を糊塗してきた.民間企業の社員には常識であるが,会社が人件費圧縮に手をつけたら,もう会社は死に体なのである.
個々の企業は破綻を免れても,現状三人に一人の非正規雇用者は,いずれ疲弊して健全な労働力ではなくなるだろう.その時に日本社会の本当の破綻がやってくる.高齢者と生活保護受給者が現役労働力の肩にのしかかるのだ.
この破綻がスケジュール化している時に,石破地方創生相が「最近になって、突如として登場した概念だ」と困惑して語ったように,単なる思いつきの「一億総活躍社会」で安倍は国政を運用していくらしい.
安倍の「一億総活躍社会」は
1.国内総生産 (GDP) 六百兆円
2.希望出生率 1.8
3.介護離職ゼロ
がその中身だというのであるが,三人に一人が非正規雇用者である現状とどのように整合性をとっていくのであろうか.介護離職ゼロということは,介護業界の非正規雇用者を増やすだけのように考えられるのだが.
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