政治的墓参 (「墓参」を改題加筆)
細々と書くのが面倒くさいので,『爆笑問題の日曜サンデー』(TBSラジオ,7/12) でTBSラジオの武田一顯放送記者がしゃべったことを引用する.
《(武田一顯):まあおっしゃる通り、国会の周り、あるいは総理官邸の周りに人が集まれば集まるほど、安倍さんとしては燃えるんですね。だから、安保の後で、岸信介は当時は車で官邸を後にする時、「棺を置いて論定まる」と言ったんですね。
(太田光):ええ
(武田一顯):「自分が死んだ時、60年安保の評価は決まるのだ」と言った。安倍さんはおそらく今回、今週か来週かはわかりませんけれども、本会議か本会議の採決の後、翌朝にスーッとみんな引いたあとで、おそらく何か言うわけですよ。必ず何か一言言う。やっぱり、岸総理の真似をしたいわけですね。》
《岸総理の真似をしたい》のは誰の目にも明らかなのであるが,新聞各紙が伝えたように,昨日(7/22),安倍は静岡県小山町の冨士霊園に出かけ,祖父岸信介と父安倍晋太郎の墓参をした.法案成立を報告したのだという.
どうだろう,この墓参という時代錯誤なセンスは.
六十年安保を乗り切ったものの安保闘争の混乱の責任をとるとして七月十五日に総辞職せざるを得なかった岸信介の仇討をしたのであるね,安倍という男は.墓参りは安保法案が仇討という前時代行為であることを示しているのだ.
岸信介無念の七月十五日に合わせて周到に日を選んだと思われる七月二十二日,墓前で「晋三が代々の無念を晴らしましたぞ」ってわけだ.安倍は政治日程の中に堂々と祖父と父への墓参という私的行為を組み込んで恥じない.政治が世襲制であることを国民に周知すること,前からこれがやりたかったんだろうなあ.仇討の場合は墓前で割腹 (辞職) するのが様式美としてはあり得るのだが,安倍に政権を手放す気は全くないので,様式美どころか実に見苦しい有様である.
あ,政治日程の中に堂々と祖父と父への墓参という私的行為を組み込んで恥じないってのは,どこかで記憶にあるなあ.そうだ,隣の半島の北半分の世襲制王朝に,そういうことをする妙な髪型の若僧がいる.あれだあれだ.(笑)
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