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2015年9月13日 (日)

甘藷と馬鈴薯 (八)

[ 馬鈴薯 ]

 かつて,2009年9月から11月にかけて掲示板 2ちゃんねる に『まおゆう魔王勇者』(橙乃ままれ作) と題したファンタジー小説作品が投稿され,ネット上で評判となった.
 この小説をほぼそのまま書籍化するという形で,2010年12月から出版が開始され,続いて複数の漫画家によるコミカライズやテレビアニメ化が行われ,今も続いている.

 最近,Amazon がしきりに私にコミック化された『まおゆう魔王勇者』(石田あきら画,角川コミックス・エース [Kindle版]) の購入を勧めるのであった.
 なにしろ Amazon が誇る消費性向解析システムが私のこれまでに購入した物品や書籍の情報に基づいて「このコミックを買いなさい,第一巻は無料にしますから」と言うのであるから,これは買うしかない.で,実際に読んでみた感想としては,対象読者層は中学生から高校生と思われるので,なんでこれを六十半ばの爺に Amazon が勧めるのかよくわからんが,まあいいや.

 さて『まおゆう魔王勇者』第一巻の冒頭,魔王が勇者に「これを見ろ」と資料を渡す.
 勇者の頭では皆目理解できないその資料を魔王は「経済的視点から見た巨大消費市場としての戦争の効用だ」と説明する.
 それから魔王は勇者に,経済的視点から見た魔族と人間とのあいだの戦争について縷々説明し,もし戦争が終わっても経済的に破綻しない世界はあるのだろうか,あるなら私はそれを見てみたいのだと語る.
 簡単にいうとこの作品は経済に関する薀蓄コミックであるわけだが,それにラブコメ風味が加わり,魔王と勇者は協力して社会変革に乗り出すのである.
(続く)

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