人類の友 (一)
エデンの園を追われるアダムとイヴを憐れんだ神が,二つの生き物を二人に友人として与え賜うた.
犬と猫である.
以来,犬は人間の狩猟を助け,猫は穀物を置いた小屋の番をして,私たちと共にあった.
そのような歴史があるものだから,掌に載るほどの子犬や子猫が庇護を求めて私たちを見つめるとき,これを無視することができぬ遺伝子が私たちには組み込まれていると考えられる.
先日,私のトイプードルをかかりつけの動物医院に連れていった.最近,食事のあとしきりに口の周りをなめるのが気になったからである.
飼育環境について問診のあと,獣医先生の診断は,おそらく合成樹脂アレルギーではないかと思う,とのことだった.暫くのあいだ,食事を入れる皿はステンレスか陶器にし,おもちゃなども合成樹脂製のものは接触しないようにしてくださいと指示を受けた (結果的にそれで改善した).
ついでに健康状態をみてもらったら,眼に所見があると言われてしまった.角膜の一部に白濁があるというのである.
その獣医先生が,私は眼科は得意でないので大学病院を紹介しましょうかと言ってくれたので,ありがたく手配をしてもらった.診察予約してもらったのは東京の町田の方にある麻布大学である.関東地方では知られた獣医大学だ.
麻布大学付属動物病院での診断結果は,これ (角膜の一部白濁) は過去の炎症の結果であって,これ自体が進行していく病気ではないと考えられるが,点眼薬を投与して一ヶ月の経過観察をしてみましょうとのことであった.
(続く)
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