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2015年9月27日 (日)

文春は見識を (9/28 に追記あり)

 週刊文春が最近,二週連続で例の近藤誠氏 (元慶應義塾大学医学部講師) への提灯記事を掲載した.
 近藤氏によれば,治療できた,あるいはできるように見えるのは「がんもどき」であって「がん」ではない.「がん」は早期に発見できても既に転移しているので,治療は無意味な行為であるとする.
 この「がんもどき理論」は極めて思惟的観念的であるため,医学や生命科学の研究者からはほとんど無視されている.著名な研究者としてはシカゴ大学医学部血液・腫瘍内科教授の中村祐輔先生が時折マスコミで近藤理論批判をされる程度である.
 近藤氏には工藤憲雄と称する妙な応援団がついていて,この男はネットをいつも「近藤誠」とか「がんもどき」とかの検索語でサーチしているらしく,この語をみつけると食いついてきて近藤理論を講釈する.前に一度,僻地で細々とやっている私のブログにもやってきて,コメントを書き捨てていった.ステマ,ご苦労さまです.

 ところが,週刊文春の最新号は,国立がん研究センターなどの研究者に取材した《肺がん対策「最新ガイド」》という特集記事を掲載した.しかし近藤誠氏を支持する立場なら,《肺がん対策「最新ガイド」》なぞあり得ないはずだ.近藤理論が正しければ,国立がん研究センターなんぞは税金の無駄遣いということになるのだ.
 実際に執筆するライターは,編集部の要請があれば,近藤批判でも近藤提灯記事でも何でも書くだろう.だからこそ週刊文春の編集長は,近藤「理論」を支持するのか支持しないのか旗幟鮮明にして,文春としての見識を示さねばならない.

 もしかすると,またステマ工藤憲雄先生が現れるかもしれないなあ.期待して待つことにする.はは.

[追記 9/28]
 また現れるかもと書いてから確認したら,既に過去記事の方にコメントが書かれていた.固定リンクはここ
 この御仁は,コメントを書き込むのはいいが,短すぎて何がいいたいのか不明だ.このブログだけではなく,あちこちのブログに,記事に何が書かれているか全く無関係に自分の言いたいこと (私はパテントを取ったということ) を書き込む.スパムのようなものだ.ネット上にも礼儀と作法というものがある.困った人である.

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