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2015年9月 5日 (土)

連続テレビ小説

 昨日の記事に
本屋に幻冬舎文庫版の『植物図鑑』が平積みになっていて,その帯に主演の岩田剛典,高畑充希の二人の写真が載っている
と書いた.
 最近の若い女優さんについては全く知識のない私だが,高畑充希さんが来年度前期放送予定のNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』のヒロインに決まったと少し前の新聞報道にあったのを思いだした.

『とと姉ちゃん』は,雑誌『暮しの手帖』を創刊した大橋鎭子花森安治をモデルとしたフィクションになる予定だという.
 以前から私の持っていたイメージでは,NHK連続テレビ小説のコアな視聴者層は専業主婦である.仕事をもっていると,とてもじゃないけど朝や昼飯どきの連続テレビ番組をみる時間的余裕がないからだ.
 普通の会社員が休日の時間を割いて,録画しておいた連続テレビ小説を観るものだろうかとも思っていた.
 しかし竹鶴政孝をモデルにしたドラマのおかげでニッカのウイスキーが売れに売れて,ためにフラッグシップ商品の原酒が底をつき,あろうことかこれを終売にするという情けない事件が起きたことからすると,勤め人の男たちもNHK連続テレビ小説視聴者層の大きな部分かも知れない.いつ観てるんだよ.

 とまれ,今の現役会社員たちはおそらく名前も知らないだろう大橋鎭子と花森安治がモデルとして取り上げられるのはよしとして,ただ,戦時中の自分の責任を一切の弁明もなく引き受け,良心に基づいて戦後を生きた花森安治の人生を,若い脚本家にきちんと描けるものだろうかという疑問もある.どうなるであろうか.

 余談だが,大橋鎭子といえば『すてきなあなたに』だろう.もう四十年も前のこと,当時『暮しの手帖』の定期購読者だった私は,一緒に暮らすことになった女性にこの本をプレゼントしたのを思い出す.遠い目にならざるを得ない.

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