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2015年9月 3日 (木)

デジタルリマスター (五)

[余談]
 この“Changing Partners”という歌の歌詞は大変に平易なので,普通の中学生の英語力で理解できるし,試験の答案のような英文和訳も簡単だろう.
 と思ったのだが,ネット上に爆笑ものの訳文があったので紹介する.

Changing Partners Patti Page 和訳付きバティーページ・チェンジング バートーナー
 ↑まずは動画のタイトルで爆笑.
 なるほど,いきなり「バティー」ときて,間髪入れずに「バートーナー」ですか.
 この動画の投稿者は,間違いなく日本語変換はカナ入力でタイプしているのだが,カナ入力派の人は「パ」と「バ」は打ち間違えないように気をつけているので,どうして「バティーページ」になってしまうのかが理解不能だ.「バティーベージ」ならわかるのだが.

 それはともかく投稿者が作成した訳文をみてみよう.
 この投稿者は,同じ英文に対して,二つの訳文を作ってしまっている.
 試験なら「どっちなんだ」といわれて両方とも×になるところだ.
 まあこの人は歌詞の大意はわかっているのだが,英語力が低すぎて,正しい理解ができていない.
 アップされている動画で訳文がスクロールするところを以下に引用する.

Though we danced for one moment
私たちが一緒に踊ったのは僅かな時間
and too soon we had to part
すぐに離れてしまったは
 
(↑「は」ではなく「わ」と書くべきところだ.日本語力にも問題がある)
In that wonderful moment
けれども、その素敵な時に
Somethin' happened to my heart
私のこころに素敵な囁きがあったの
So I'll keep changing partners
だから、パートナーはかえ続けるの
till you're in my arms and then
私の腕にふれるまで
Oh, my darlin' I will never
愛しいあなた、私はけっして
change partners again
パートナーを変えることはしない

 この動画の投稿者は,happen to の意味を知らないので (辞書をひけばいいと思うのだが),テキトーに《私のこころに素敵な囁きがあったの》と想像で訳してしまった.
 いったい誰が何を囁いたのであろうか.これが致命的間違いの一つ.
 もう一つの致命傷は,So I'll keep changing partners till you're in my arms and then oh, my darlin' I will never change partners again の構文がわからなかったとみえて,then を無視したことだ.だからできあがった訳文が意味不明の日本語になっている.
 英語も日本語もできないなら,こんな動画をアップして恥を晒さなくてもいいと思うのだが,おもしろい人物がいるものだ.

 もう一つの訳文例.
Changing Partners翻訳 Patti Pageチェンジング・パートナーズ

 以下に一部を引用する.

Though we danced for one moment and too soon we had to part
(私たちはほんの一瞬しか一緒に踊っていないのに、あまりにもすぐに離れなければならなかった)
In that wonderful moment somethin' happened to my heart
(けれども、その素敵な時に何かが私の元に舞い降りたの)
So I'll keep changing partners till you're in my arms and then
(だから、私はあなたが私の腕の中に来るその時まで相手を代え続ける)
Oh, my darlin' I will never change partners again
(ああ、愛しいあなた。そしてその時は、私はもう二度とあなたを放さない)

 このブログ筆者は,So I'll keep …… and then …… I will never change partners again の構文を理解している.
 だがしかし,In that wonderful moment somethin' happened to my heart を《けれども、その素敵な時に何かが私の元に舞い降りたの》とは,どうしちゃったのであろうか.いったい何が《舞い降りた》のだ.
 最初の例の《私のこころに素敵な囁きがあったの》と似たりよったりのテキトーさだ.happen to の意味がわからないなら,なぜ辞書を引かないのだろう.
 この文が「私の心の中に恋が芽生えたの」という意味であることを承知の上で,もちろんそう意訳して構わないのであるが,しかし原歌詞を尊重して「何かが私の心に起きたわ」とすればそれでいいのである.
 中学校の教室で先生に「『何か』って何ですか?」と質問されたら,「恋心です」と答えればよろしい.

 この箇所は「君慕うワルツ」でどうなっているかというと,訳詞者の音羽たかしは《胸に吹き込む甘い恋風》としている.いかにも昭和の歌謡曲調ではあるが,字数に制限がある歌詞の中できっちりと「恋」を押さえるあたり,さすがにプロの仕事であるなあ.

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