読者コメントについて (二)
(tak さんのコメントに対する返信の続き)
昨日の記事で,
《ですが,洗剤などの景品を使って新聞の部数を拡張することが「クロレラ以上のこと」にあたるとは私には思えません.
クロレラなど薬効が認められない健康食品のバイブル商法は,歴とした薬事法違反でありますが,例えば朝日新聞社の購読勧誘員 (ほとんどは販売店の者) が洗剤を配って部数拡張活動をするのは (していたのは) 新聞社各社が集まって決めた取り決めに違反するに過ぎないからです》
と書きました.
読売の購読勧誘員が巨人戦のチケットを配ろうが朝日のそれが洗剤を配ろうが,それは大した問題ではないのです.
では何が問題か.
新聞の購読勧誘は,組織暴力団の資金源,いわゆる「シノギ」になっているのです.
上には穏やかに「購読勧誘員」と書きましたが,一般には「拡張団員」(参照 Wikipedia【新聞拡張団】)
といいます.
Wikipedia【新聞拡張団】にこう書かれています.
《新聞拡張団(しんぶんかくちょうだん)とは日本の新聞販売において、新聞社や新聞販売店とは別の団体で新聞の訪問勧誘を行う団体をいう。「拡販団」や「新聞ヤクザ」といわれることもある。一部新聞社や新聞販売店から委託を受けているものもある。》
この新聞拡張団は,朝日・毎日・読売・日経・産経・東京の六新聞社の合計で一万人弱だといわれています.
私が小学生だった昭和三十年代,うちに読売の拡張団員が来ると,ほんとに恐ろしかったですね.
木造平屋のあばら家 (公務員官舎) の玄関引き戸を壊れんばかりに叩いて「読売でーす」と言う.
応対は父親がしますが,母と子供たちは奥に避難します.奥といっても六畳と三畳と台所のネズミ小屋ですから,団員の声はそのまま聞こえます.ほとんど恐喝です.
「なにぃ,一ヶ月とりますだと~,俺をなめてるんか,新聞ってのはなぁ六ヶ月とるもんなんだよオッサン」
とまあこんな雰囲気で,当時の (現在はさすがにこれほど酷くはないでしょう) 読売新聞の購読勧誘は行われていたわけです.
で,押し問答の末になんとか三ヶ月購読で話がまとまり,「んじゃあ三ヶ月で許してやらあ,ハンコ出しな」と言われて認めの印鑑を小さな購読契約書に押そうとすると,団員に印鑑をもぎ取られ,ペタペタと勝手に六ヶ月分を押されてしまいます.
「ありゃあ間違ったよ,六ヶ月分押しちゃった,わるいなオッサン」
彼らの報酬は歩合制で,六ヶ月契約を一つよりも三ヶ月契約を二つの方が実入りがいいこともあるらしく,二枚の契約書に捺印されてしまうこともありました.
相手が気の弱そうな人物である場合は,読売の拡張団員は巨人戦のチケットも洗剤もくれないわけで,いつも何ももらえない私の父は,団員が引き上げると肩を落として暫く無言でありました.
読売新聞拡張団員の暴力的な購読強制に屈する父親の姿には哀しいものがあって,私は死んでも読売は購読しないと心に決めました.そして,どんなに脅されても,家族に読売新聞拡張団員に屈する姿は見せないと誓ったのであります.(笑)
(テンションあがって,さらに続く)
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