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2015年8月26日 (水)

読者コメントについて (四)

(tak さんのコメントに対する返信の続き)

 Wikipedia【読売新聞】には次のように書かれています.

1952年11月25日、大阪読売新聞が創刊。読売新聞は、まだ宝くじの1等が400万円だった時代に、最高500万円、総額1億~2億にものぼる「福引き」をおこない、新聞業界の常識を打ち破る熾烈な拡販競争をおこなったのである。このとき関東から送られた読売新聞の拡販団は、「人相の悪い暴力団…ヤクザ風の若者」。読売新聞は、1人住まいの女性や主婦を集中的に狙い、「お届け物です」と声をかけてドアを空けさせた後、ヤクザ風に凄んで新聞を取らせる、勝手に半年契約のハンコを押す、クレームを入れると謝罪し、今度はもみ手戦術で新聞をとらせる等々、現在でも続いている拡販団による悪名高い新聞拡販方式の原型を作った。この方式は、現在では他紙に模倣されている。ただ、拡販や読者つなぎ止めで他紙と違うのは、プラチナ・ペーパーとされた巨人戦チケットを使うことである。大阪進出当時、甲子園球場の阪神タイガースと読売ジャイアンツの試合のチケットは、ほとんど読売新聞が引きうけ、阪神にとっては「読売さまさま」だった。巨人戦チケットを使った拡販は、読売の全国進出にあたって広く使われた。巨人軍が負けてはならない、強くならなければならないのは、読売拡販のためという。

 正力松太郎が闇社会との関係を用いて築き上げた読売拡張団は,上に引用したような暴力的手口によって,関東地方における発行部数で朝日新聞を圧倒しました.そして全国紙化したのちに読売と報知の合計部数で朝日を抜いたのは昭和三十年代後半,私が中学に入った頃です.そして昭和五十二年 (1977年) に読売新聞本体の発行部数で朝日新聞を抜き去りました.
 読売新聞は発行部数第一位の全国紙ですが,これは組織暴力との協力関係のもとに達成されたのであります.

 読売新聞の暴力的拡販は,今も続けられているようです.
 二ヶ月ほど前に,消費者庁の特定商取引法専門調査会が開かれ,訪問販売の規制を強化するという議論が行われました.
 この調査会では新聞の暴力的購読勧誘の規制が焦点となっています.
 消費者庁の調査によると,国民生活センターに寄せられた新聞勧誘に関する苦情は年間一万件くらいあり,苦情件数は一位が読売新聞社(発行部数約920万),次が朝日新聞社 (同約710万),毎日新聞社 (同約330万)となっています.
 そこで調査会の議論に日本新聞協会の理事である読売新聞東京本社の山口寿一社長が招かれました.
 現在は特定商取引法で,一度断られたら再度の勧誘は違反となる規制がありますが,これについて山口社長は「一度断られても,やはり取っていただくということも現実には多々ある」と発言しました.これは新聞業界が法律違反を行っていることを,堂々と公式に認めたことを意味します.恥を知らぬとはこのことであります.
(ちなみにこの六月の調査会において山口社長の発言を嘲笑した委員がいたとして,読売新聞社はグループ本社の永原伸社長室長名で,山口俊一消費者庁担当大臣,板東久美子消費者庁長官,河上正二消費者委員会委員長に内容証明郵便で抗議書を送付しました.社会の木鐸を気取っておきながら裏で法違反をしている新聞社が,その鉄面皮を嘲笑されて逆ギレし,抗議するとは何様のつもりなのでしょう)
 消費者保護の観点からして重大なこの山口発言を報じたのは週刊誌メディアであり,新聞はだんまりを決め込みました.いかにも新聞というものの手前勝手な体質が露呈した事件でした.

 さてブログ読者のコメントへの回答としては長文になり過ぎました.
 稿を改めて書くことがあるでしょうから,いったん筆を置きますが,私が《なんとなく朝日新聞や読売新聞を全部善良な人々だという前提に立っていると思います》との tak さんのご指摘は全くの誤解だということをご理解ください.朝日や読売の人間が全員悪人だとは思っていませんが,読売については目に余るものがあるため,何度もこのブログで批判をしてきました.
 私は駅売りの新聞は毎日新聞を買います.全国紙の中では記者の質が高い方だと思うからです.ほんとにページ数の少ない新聞ですが,同じお金を払うならコスパの高い新聞がいいですね.朝日新聞とか読売を読んでいたら世の中を見誤ります.全国紙,特にこの二紙は拡張団を必要としないビジネスモデルを構築しない限り,信用してはいけないと考えるものです.

[追記]
 企業で法務関係の仕事に長年携わりますと,ピンポイントの分野,例えば食品会社の場合ですと食品衛生法とかJAS法,あるいはサプリメントに関する法令などについては会社の顧問弁護士と議論できるくらいの力がつきます.企業の人間はその上で弁護士の指導を受けるわけですね.ですから《ロースクール生顔負けの分析力》なんて言われると,貶されたに等しいのでちょっとムカッとします.この点,老婆心ながら一言.

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