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2015年8月31日 (月)

デジタルリマスター (二)

 前稿で私は《当時の日本の大衆音楽は未開の荒野に等しかった》と書いた.庶民大衆がはやり歌を覚えて歌うためのインフラ,すなわち音楽の録音と再生の技術が未発達だったからである.
 この点では欧米がかなり先行しており,事情は Wikipedia【レコード】に詳しい.

 周波数帯域もダイナミックレンジも狭く,そして何よりシェラック盤の材質に由来するノイズが激しく,また繰り返して再生することにより音質劣化が進むSP盤から,それらの欠点を革命的に改善したLP盤へと欧米では戦後急速に転換がすすんだのであるが,我が国では戦後少しのあいだ,SP盤がまだ生き残っていた.
 この頃に江利チエミはレコードデビューしたから,彼女の初期の歌はSP盤に録音されたものである.
 海外にやや遅れて我が国にもLP盤が普及すると,レコード会社と歌手たちは録音をし直した.
 筆者はいわゆる懐メロのCDを数枚所有していて,その中に江利チエミの歌唱が何曲か入っているが,それらは1950年代初めに録音された一曲を除いて1960年以降に再録音されたものである.
 その一曲がSP盤「君慕うワルツ」である.
 どんな雰囲気の曲かは,YouTube で視聴していただきたい.

(1) 君慕うワルツ(江利チエミ)"Changing Partners" by Chiemi Eri
(2) Chiemi Eri - CHANGING PARTNERS

 上の二つは同じ盤であり,私のCDに収録されているのはこれが音源と思われる.
 さてこれを聴くと,誰もが「あれ? changing partners ではなく changing partner って歌ってるじゃないか」と思うであろう.
 そのことについて私は書こうとしているのである.
(さらに続く)

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