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2015年4月 4日 (土)

マック崩壊 (五)

 事件は昨年の七月に起きた.
 中国上海の中国法人「上海福喜食品」が,食品衛生的に極めて問題のあるプロセスで食肉加工品を製造し,これが日本のコンビニやファストフードに輸入されていたことが発覚したのである.輸入していた日本側企業がどこであるかについて色々と風評が流れたが,確実なのは日本マクドナルドとファミリーマートが輸入したチキン製品であった.

 この事件のことは Wikipedia【食品消費期限切れ問題】に,新聞社会面程度のレベルの解説は書かれているのだが,この解説を執筆したのは食品衛生に全く知識のない人物であるらしく,残念ながら新聞社会面の程度を一歩も出ていないし,誤りが多い.
 またこの Wikipedia【食品消費期限切れ問題】は,中国の食肉加工会社がひどいことをやっていたとだけが書かれてあり,なにゆえに日本マクドナルドとファミリーマートが上海福喜食品から輸入していたのかが分明でない.

 ファミリーマートのチキンについては不明だが,日本マクドナルドのチキンナゲットは上海福喜食品と製造委託契約を締結していたはずである.
 日本マクドナルドは消費者に対して品質保証する責務を負っているのであるから,上海福喜食品に対しては製造委託契約に基づいて,適切な品質管理の実施を要求する義務があった.
 しかるに事件後の記者会見で日本マクドナルドが明らかにしたのは,上海福喜食品に対する放置無管理であった.記者会見における釈明では,日本マクドナルドは上海福喜食品の工場を年に一度査察するだけだったという.

 およそまともな食品企業は,日本でも世界各国でも,ISO品質マネジメントシステムを作成し維持している.中国側の報道をみると,上海福喜食品にはISO品質マネジメントシステムが存在していなかったか,あるいはISO品質マネジメントシステムを形だけ作って,あたかも実行されているかのように偽装していたものとみられる.

 仮に上海福喜食品にはISO品質マネジメントシステムが存在していなかったとすると,どうしてそんな企業に,とりわけ先進国中最低の食品安全レベルであると考えられている中国の食品企業に,主力商品を製造委託していたのか.この点について日本マクドナルドは強く責められるべきである.

 またもし,上海福喜食品がISO品質マネジメントシステムの実行を偽装していたとすれば,日本マクドナルドはその品質保証担当部門の無能ぶりを世界にさらけ出したことになる.ISO品質マネジメントシステムは,工場の査察 (定期査察か抜き打ち検査であるかにかかわらない) などによってではなく,マネジメントシステムが規格に基づいて構築・維持されているかどうかを定められた手順に従って監査することにより,その種の偽装がなされていても簡単に見抜けるようにできているからである.
 品質保証部門が無能だということは,日本マクドナルド自体の品質管理ができていないことを意味する.つまり上海福喜食品の事件は,年を越してから連発した異物混入事故の伏線なのであった.

 さてもっと問題なのは,無能なのが日本マクドナルドの品質保証担当部門だけではなかったことである.
(続く)

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