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2015年4月 7日 (火)

マック崩壊 (六)

 まず Wikipedia【食品消費期限切れ問題】における記述の間違いに触れておく.
 というか,この【食品消費期限切れ問題】という百科事典項目のタイトルからして,執筆者が食品製造に関して無知であることを露呈してしまった大間違いであることから話を始める.

 つまり「消費期限」および「賞味期限」は,法に基づいて,包装された食品の包装の上に,消費者が容易に認識できる位置に表示されねばならない事項の一つである.この用語の意味は行政によって詳しく規定されている.

 従って,食品製造工場で使用する原材料については,通常はこのような用語を使用しない.その原材料は,そのまま直接に消費者の口に入るものではないからである.

 もちろんその原材料には,前工程において製造された時点から,あるいは購入して原料倉庫に入れた時点から,その工程で使用されるまでの期限が設定される.
 この期限をどう呼ぶかは,全く使う場面と意味が異なる用語である「消費期限」「賞味期限」としてはいけないのは無論であるが,それ以外なら特に決まりはなく,例えば「原材料肉管理期限」だろうが「原材料肉使用期限」であろうが,個々の食品製造事業者がそれぞれの品質マネジメントシステムの中で適当な語に定めればよい.

 それでは,仮に上に例示した「原材料肉管理期限」と,「消費期限」「賞味期限」との違いはなにか.
 具体例でいうと,ある東海地方の菓子製造業者が某月某日,一口大に整形した餅に小豆の漉し餡を塗りつけた和菓子を製造したのだが,販売店からの注文キャンセルが入り,余ってしまった.
 そこでこれを冷蔵庫に保管しておき,翌日,包装紙をはがして包装し直し,新たに消費期限を印字して出荷した.
 これは消費期限の改竄行為として厳しく取り締まられる.ところが……
(続く)

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