食の冥王たる山パン
先日の日曜日,近所のショッピングモールに入っている食品スーパーに,食い物の買い出しに行った.
このスーパーにはインストアの小さなベーカリーがあって,丸くて (直径十センチほどの大きさ) うまそうなデニッシュタイプの菓子パンがあったので買ってみた.レシートは捨ててしまったのだが,値段は確か二百四十円くらいであったと思う.
しかしそのすぐ横にスーパーのパンコーナーがあり,そこで私は,ベーカリーで購入したデニッシュと似ているが,しかし大きさが直径二十五センチ近くはあろうかという巨大なリング状の菓子パンを発見した.製造者は山崎製パン (以下,通称の山パンとする).その値段は,ベーカリーのデニッシュ菓子パンよりズンと安く,百八十円ちょっとであった.
ベーカリーのほうのレジはもう済んでいたのだが,この巨大パン (商品名は「デニッシュリングカスタード」という) にいたく興味をそそられ,私はこれをカゴに入れた.
デニッシュリングカスタードは熱量が 1,429kcal もあり,ネット上では菓子パン界の核弾頭と呼ばれているようだ.
で,帰宅して,購入した二つの菓子パンを食べ比べてみた.
すると何とまあ,聞いて驚け (最近これが多いな),二つのパンはほぼ同じような食味であったのだ.
食パン一斤を百円以下で全国津々浦々に怒涛のごとく供給できる山パンは,日本国庶民のパン食生活におけるインフラと言われている.誰が言っているかというと私だ.
つまり山パンの製品は,いわば基礎食料とでもいうべきものであるからして,誰もその味を問うことはない.おいしさよりも,安価なパンをまるで水道水のように供給することが山パンのアイデンティティなのである.山パンは食品産業における松下幸之助なのだ.
例えば,ミスドの商品を丸パクリしたとしか思えないドーナツをいくつも山パンは販売しているが,すべて本家ミスドに比べると,歪んだ外観からして粗悪品である.味も格下だ.
これを比喩にしてみればミスドは,ペレンノール野の小さな砦に立て籠もり,冥王サウロンが放ったオークの大軍を迎え撃ったセオデン王と,ローハンの楯持つ姫君エオウィンである.
対する山パンは,アングマールの魔王が率いて押し寄せた幾百万というオークとトロルの連合軍である.
しかし,この戦の結果は,物量で勝てなくても味で勝てることを示したエオウィン姫の勝利であった.
この比喩はデニッシュリングのリングから指輪を連想したのであって他意はない.意味不明だが,そういうことである.ヾ(--;)こらこら
さて,件のインストアベーカリーのデニッシュ菓子パンは,正直な印象として,山パンのデニッシュリングカスタードに圧倒されていた.
デニッシュリングカスタードなら,年寄りの一日当たりの必要エネルギーを百八十円ちょっとでまかなえるのである.
主食費一日百八十円ちょっとだ.食費月一万円生活も夢ではないと言えるような気がしないでもない.
恐るべし,山パン.食品産業の鑑,山パン.年金生活者の味方,山パン.(最近これも書いたなあ)
さっき山パンは冥王サウロンが放ったオークの大軍と書いたけどね.すまぬすまぬ.まあいいや.ヾ(--;)こらこら
| 固定リンク
「食品の話題」カテゴリの記事
- 食品のブランドは製法とは無縁のものか /工事中(2022.06.30)
- 崎陽軒の方針(2022.05.06)
- 青唐がらし味噌(2022.03.27)
- 成城石井のピスタチオスプレッドは(2022.02.17)
- インチキ蕎麦 /工事中(2022.02.06)

コメント