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2015年3月 7日 (土)

嘘を書く百田尚樹

 私は週刊文春の読者なので,百田尚樹が昨年末から連載を始めた『幻庵』も目を通しているのだが,これがもう酷い小説なのだ.
『幻庵』は江戸時代の実在の囲碁棋士である井上幻庵因碩を主人公とした作品だが,まず,史実と異なることを平気で書いている.歴史上の人物が登場する作品で史実と異なることを書くのはいかがなものか.
 例えば江戸時代初期に活躍した囲碁の本因坊算砂と将棋の大橋宗桂について,本因坊算砂が大橋宗桂よりも将棋が強かったと書いて,世の将棋ファンに嘲笑された.この件についての百田の弁解を読むと,どうやらこの三文作家 (総理大臣のお友達) は資料を調べて書くということをしないようだ.
 また『幻庵』の連載ページには序盤の布石図などが載っているのだが,百田による布石解説がまたデタラメ.百田尚樹は自称六段だそうだが,とてもそうは思えない.

 囲碁にまつわる文学としては,川端康成の『名人』に止めを刺す.
 これまでのところ,百田尚樹は『幻庵』で,誰が誰と戦って勝った負けたと,そんなことばかり書いているが,ひょっとしたら『名人』を読んでいないのではないか.『幻庵』はいずれ『名人』と比較されるのが明らかなのだから,もし読んでいるとしたら,こんな書きぶりでは随分いい度胸をしていると言わざるを得ない.

 宮崎駿監督は百田尚樹の『永遠の0』について「嘘八百」と評した.同『純愛』は,やしきたかじん の長女に出版差し止めと損害賠償を求める裁判を起こされている.よく調べもせずに書き飛ばすからそういうことになる.なんら反省することなくその調子で『幻庵』を書いているわけだ.

『幻庵』も,連載終了までに百田がどんな恥ずかしい嘘捏造を書き散らすのか,むしろ楽しみである.

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