温暖化とナミテントウ
科学史に残るだろう研究不正事件を起こした小保方晴子が華々しくマスコミの前に登場してから一年余が過ぎた.
理研は小保方の自己都合退職を認めて厄介払いをした.これはもし理研が民間企業であったならば,会社の名誉を棄損したとして懲戒免職にした上で損害賠償を求める事案であるが,理研はそのようにしなかった.理事長以下の関係者一同は,もうすべてなかったことにして生きていくだろう.
小保方の不正が暴かれていく過程で,小保方擁護の論陣を張って奮闘 (笑) した中部大学の武田邦彦教授は最近のブログ記事で,自分は小保方を擁護も批判もしていないと書き,こっそりとその黒歴史を塗り替えた.武田教授も,もうすべてなかったことにして生きていくだろう.世間ももうすぐ事件を忘れるはずだ.
どうなることかと思われた小保方晴子の人生は,わずか一年で明るい見通しが立ったわけで,彼女と彼女のファン (例えばエル・カンターレ大川隆法総裁 ヾ(^^; ) ) にとっては結構なことであるが,とばっちりを食ったのは、遺伝学の祖グレゴール・ヨハン・メンデルである.
Wikipedia【メンデルの法則】に次のような記述が載せられている.
《メンデルが論文で報告したデータの一部が、メンデルの法則に合いすぎていることをロナルド・フィッシャーが1936年に発見し、メンデルは自身の仮説に有利なデータの選別を行っていたと推察される。また、追試においてメンデルと同じ実験結果は得られず、現在の科学的検証に耐えられないものとなっている。》
この記述は,メンデルが研究不正をしたのではないかとの疑惑を匂わせている.小保方事件に絡んで,一般新聞の報道においても蒸し返されたこの疑惑の当否は,永久に謎であろう.
昔の話になるが,私と同世代の人は国立大学理系学部を受験する際に,ほとんどが「物理」と「化学」を受験科目に選択し,「生物」を選んだ人は少数派であった.
大学入学後も,当時は分子遺伝学の黎明期だったから,現代遺伝学の基礎知識は,学ぶ機会のなかった人のほうが多いはずである.
だからもし何かの試験で「メンデルの法則を説明しなさい」と言われたら,世の高齢者の多くは,大昔の教科書に書かれていたエンドウの表現型を使って説明し,大幅減点を頂戴する可能性が高い.
ましてや私は不勉強だから,古典的なエンドウの遺伝に関すること以外は全くお手上げであって,先日 waiwai さんのブログのナミテントウの多様性についての記事を読んだとき,おおそんな話を聞いた覚えがあるなあ,と思わずと遠い目になった.
それで遅まきながらナミテントウの斑紋の多様性について勉強し,斑紋には四つの基本パターンがあること,少し詳しくみると九つ以上のパターンが肉眼で識別されることを知った.
へえ~と思ったのは,ナミテントウの斑紋の多様性が地球温暖化と関係しているとの説だった.斑紋四パターンの比率は,ナミテントウが生息する地域の気温に適応した結果だというのである.
私たちの周辺環境では,次第に黒っぽいナミテントウが増えていくのだろうか.面白い話である.
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