はじめての電子書籍 (一)
寂聴尼が「毎日が死に支度」とか書いておられる.
私もそうしたいのであるが,なかなか物欲煩悩を去ることかなわず,褌一丁で畳一枚に行住坐臥というわけにはいかない.寒いしね.
せめて物をこれ以上貯め込むことのないように心がけて,去年の引越のときに書架を二つに減らした.この本棚からあふれた本は捨てることにしたのである.
そういいつつ,もう既に捨てたくない書籍で本棚がほぼいっぱいだ.
かくなる上は,新刊は紙の本を買って,読んだら自炊で電子化して保存するか,あるいは最初から電子書籍を購入するしかない.
さて先日,Amazon を徘徊していたら,「この商品を買った人はこんな商品も買っています」であったか,何かの拍子に『ダンジョン飯』というコミックを Amazon に薦められた.このコミック,大好評絶賛増刷中のようで,紙の本は予約受付中だが,Kindle 版はすぐ買える (当たり前だけど).
そこで,このコミックで Kindle 本購入の手続きをやってみることにした.
まず,先月リリースされた Kindle For PC 日本語版をダウンロードし,インストール.
そこから先の手順はヘルプと少し違ったが,特にわからないこともなく,Kindle For PC のライブラリに『ダンジョン飯』が配信された.
次にライブラリに表示された『ダンジョン飯』アイコンをダブルクリックすると,アイテムが開いて読めるようになった.
以上が手続きであるが,起動した『ダンジョン飯』のディスプレイ上のサイズは紙の本よりずっと大きくて,印刷物とまったく同等の鮮明さである.これなら活字の本でも,寝床で読めないこと以外の不都合はなさそうである.
購入した本は Kindle For PC 以外の複数端末でも同時に読めるようなので,ベッドでの読書用には Kindle があればよい.
『ダンジョン飯』を快適に読めることがわかったので,続けて幾冊かコミックを買って(*),間抜けなことに,その段階でようやく気が付いたことがある.
(*) 購入したコミック
久井諒子『ダンジョン飯』
久井諒子『ひきだしにテラリウム』
久井諒子『竜の学校は山の上』
久井諒子『竜のかわいい七つの子』
吉本ますめ『くまみこ 3』
下の画像は Kindle For PC である.購入した本のショートカット・アイコン (サムネイル) が並んでいる.
大変驚いたことに, Kindle For PC にできることは,このようにアイコンを表示することだけなのである.これじゃファイルビューワというよりランチャーではないか.orz
音楽ファイルでも画像ファイルでも,およそビューワというものは,ファイルを分類整理し,どこに何があるか明示する機能 (電子書籍ビューワの場合は「本棚機能」というらしい) を持っているものだと思っていたが,Amazon はそうは思わないらしく,Kindle For PC には本棚機能が搭載されていない.これは以前からある英語版の Kindle For PC でも同じらしくて,検索すると Kindle For PC の低機能に対する不満が山のように出てきた.
(考えてみたら iTunes もそうである.専用端末である Kindle でも,機種によって本棚機能があったりなかったりしている.分類整理機能を要求するのは日本人だけなのかしらん)
というわけで,今後も電子書籍を購入していくつもりなら,Amazon の Kindle 版は第一選択肢にはならないと私は思う.あまりにもビューワが貧弱だ.となると eBookJapan はどうだろうか.もう少し考えてみることにした.
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