はじめての電子書籍 (三)
電子書籍という出版形態はコミックが中心であると以前の記事に書いた.その後,Amazon が Kindle 本をおすすめしてくるようになったので気が付いたのであるが,紙の本との価格差が,すごく大きいものがある.
まずすぐに気が付いたのは,もしも製本したとしたら,これくらい木材資源の無駄づかいはないという類の本は安い.持って回った言い方はやめると,製本する価値のない本は安い.わかりやすく言うと,馬鹿が書いた本は安い.あるいは馬鹿しか読まない本は安い.こらこら.
例えば佐藤富雄という著者の『マーフィー 成功者のルール 完全版』(ゴマブックス) は,聞いて驚け,Kindle 価格 97円である.この著者は,たったの 97円で成功者になれるというのだ.
このように馬鹿が書 (以下略) …電子書籍の価格は百円くらいである.
『マーフィー 成功者のルール 完全版』は電子書籍のみ販売されているが,印刷製本されたものと比較するとどうだろうか.
佐藤富雄『ハピモテ体質になれる美人の習慣』
オンデマンド版 \1,361
Kindle 版 \158
佐藤富雄『口ぐせひとつでキミは変わる 夢をかなえる言葉のスイッチ』
単行本 \1,080
Kindle 版 \787
佐藤富雄『脳が元気になる1日の習慣』
単行本 \1,296
Kindle版 \960
このようにしてみると,既に単行本が出版されている場合は,それとのバランスで二百円ほど安く価格設定されるだけだが,単行本がオンデマンド版しかない Kindle 版は,印刷製本や流通コストの積み上げで決められる価格ではなく,著者あるいは読者の頭の中身にふさわしい電子書籍価格になることがわかる.こらこら.
この方式は,まあ妥当な考え方だろうと私は思う.とするとコミックの価格が高すぎるのであるが,紙のマンガ本がなくならない限りは仕方ないのかも.
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