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2014年12月 5日 (金)

代用燃料

 昨日の記事「たとえ出自は卑しくとも,か」で,戦時中の代用燃料に触れた.ここでいう代用燃料とは,松根油のことである.
 松根油は,Wikipedia【松根油】によると,次のように記されている.

太平洋戦争中の日本では航空ガソリンの原料としての利用が試みられたが、非常に労力が掛かり収率も悪いため実用化には至らなかった。
1944年(昭和19年)7月、ドイツではマツの木から得た航空ガソリンを使って戦闘機を飛ばしているとの断片的な情報が日本海軍に伝わった。日本でも南方からの原油還送が困難となって燃料事情が極度に逼迫していたため、国内で同様の燃料を製造することが検討された。当初はマツの枝や材を材料にすることが考えられたが、日本には松根油製造という既存技術があることが林業試験場から軍に伝えられ、松根油を原料に航空揮発油(ガソリン)を製造することとなった。

 つまり,松の根にはテルペノイドが含まれており,松の根を乾溜して得られる揮発性のテルペン混合物を松根油というのであるが,これを大規模に行うことにより,帝国陸海軍は逼迫した航空機燃料にしようとしたのである.
 詳細は専門的なサイト「石油精製技術で完敗した Imperial Navy」に譲るが,松根油は航空機燃料としては全く非実用的で日の目をみることがなかった.
 戦争中に軍部は細菌戦研究をはじめとする狂ったとしか言いようのない愚かな研究に手を出したのであるが,松根油製造もその一つであった.

 天然物化学が専門であった私の恩師は「樹木成分化学」と題した講義の中で松根油製造研究に触れ,戦争中には馬鹿な研究をさせられましたと私たち学生に語ったことを思いだす.

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