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2014年11月 8日 (土)

営繕 (実践編二)

[ドアノブとドアレバーの交換]

「メッキがはがれる」という.
 正体が暴露される,あるいは馬脚を顕すといったほどの,悪い意味で使う.
 しかしこれはメッキに対する不当な評価である.
 要は複合素材ということであり.メッキは,構造を保持することと,表面の美観および保護を別々の素材で担おうという技術なのである.
 例えばある会社を訪問したとしよう.
 玄関を入ってすぐに受付があり,そこに驚くほどの美人がいて私をみて会釈する.
 ちらりと名札を見ると,音無響子と書いてある.
「鬼瓦営業部長さまに二時のお約束を頂いております」と言うと,上の階に連絡を入れて営業部長を呼び出し,会議室を案内してくれる.
 指定された会議室で待っていると,業界で敏腕の名も高い鬼瓦権蔵営業部長が現れたのだが,これが子供が怯えて泣き出すような顔だ.美しい受付の響子嬢とあまりにも違うが,これを指して「会社のメッキがはがれる」とか「会社が馬脚を顕す」とは言わない.機能の分担に過ぎないからである.
 これが反対に,受付に鬼瓦権蔵みたいな顔のお嬢さんがいたとしよう.私はそれを見て踵をかえして玄関ドアを出るであろう.メッキとはそういう技術なのである.違いますか.そうですか.

 クロムという金属は,腐食しにくく極めて摩耗に強い.それで工業的にはピストンなどの表面のメッキに使われるが,家庭でもいろんなところに使われている.その一つがドアノブだ.
 その摩耗に強いクロムメッキを施したドアノブでも,三十間年も人の手に触れられると,あたかも雨だれで石に穴があくように,摩耗する.

 今回の自宅の修繕で,ドアの塗装をやり直したのであるが,塗装の際にはドアノブをいったん取り外す必要があるから,ついでに新しいものに交換することにした.
 下の画像が取り外した古いドアノブだ.メッキが剥げている.長年にわたるその方の働きご苦労であった.誉めてとらす.

20141108d

 ドアノブを交換するときには,ドアノブ各部の寸法を確認するが,普通の製品は何十年も規格通りに作られていて,ほとんどテキトーに買ったものでも合うようになっているのがありがたい.

 作業で注意する必要があるのは,古いドアノブの取り付けに使われている木ねじを外すときだ.
 まずケガキ針のようなもので,木ねじの頭の溝を掃除する.錆て浅くなっていることが多いからである.
 掃除した溝にドライバの先を当て,腐食のために遊びができてしまっている場合はドライバを回転させたときに「ナメ」てしまう可能性があるので,ねじ頭に「アネックス(ANEX) ネジすべり止め液 No.40」を一滴垂らすとよい.これは骨董品の真空管ラジオやアンプをリペアするときの常套手段だ.

 不幸にも「ナメ」てしまったときは,これまた常套手段がある.
 まず「アネックス(ANEX) ネジとりインパクト No.1903-N 」のねじ取りビットを使って,ナメたねじ頭に溝を新たに作る.そこに同製品のインパクトドライバを打ち込んで逆回転させる.道具としては他にプラスティックハンマーが要る.
 ねじがわずかでも回転して,頭が1ミリでも上に出ればしめたものである.このねじ頭を,神工具と称えられる「エンジニア ネジザウルスGT PZ-58」でくわえて回転させればよい.

 下の画像は新しく交換したドアノブだ.気分一新である.

20141108e

 次に,拙宅には,家具の裏側になって開かずの間状態にしていたドアが一つあり,そのドアのレバーが下の画像である.

20141108a

 アルミ合金素材に塗装をしたものであるらしく,塗装のピンホールから腐食が進行していた.
 これを真鍮に銅メッキしたものに替えたのだが,古い方が規格品だったので,木ねじ穴の間隔など,新品への交換は何の支障もなかった.

20141108c

(続く)

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